あの高級食品店がついに破産申立て

フランス語で言うところのEpicerie fine(エピスリー・フィン)といえば、上質なチョコレートやコンフィチュール、フォアグラやオイル、紅茶やコーヒーなどの食材を取り扱う高級食品店のこと。特別なお祝いの機会に、また、大事な人へのプレゼントに、フランス人が少し奮発してお買いものをするお店です。フランスの二大エピスリー・フィンといえば、パリのマドレーヌ広場に向かい合うように鎮座するHédiard(エディアール)とFauchon(フォション)でしょう。



エディアールの創業は1854年で、フォションは32年遅れの1886年に誕生。以来、エディアールとフォションは常にライバル関係であり続けましたが、近年は、老舗としての立場に甘んじず、新しいイメージを模索し続けたフォションのほうに軍配が上がっていた印象があり、とりわけ外国人旅行者からの知名度は圧倒的にフォションのほうが高かったように思います。
だから、昨日、「エディアールがついに破産申立てを行った」というニュースを耳にしたときは、残念ながら、あまり驚かなかったというのが正直なところでした。6年間連続で赤字を計上しており、2007年にエディアールを買収したロシア人富豪からついに見放された形に。今後はメゾン・エディアールの160年近い歴史とノウハウ、そして約160名の従業員を守るため、再建を目指し新たな投資家を模索するそうで、当分は通常どおりの営業を続けるとのことです。

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