〈フランスゴログ〉映画『風立ちぬ』

|FRANÇAIS| Le vent se lève ル ヴォン ス レーヴ de Miyazaki ドゥ ミヤザキ

|JAPONAIS| 
映画『風立ちぬ』
監督:宮崎駿




|DÉFINITION| 
先日ヴェネチア映画祭にて、世界初お披露目となった『風立ちぬ』。同時に発表された宮崎駿監督の引退宣言も加わり、フランスでもこの作品に強い関心が集まっています。この映画を紹介するどの記事にも必ず出てくるのが、フランスの詩人ポール・ヴァレリー(Paul Valéry)の名前。物語のベースとなった堀辰雄の小説『風立ちぬ』という題名は、ヴァレリーの詩「海辺の墓地(Cimetière marin)」の中の一節「Le vent se lève, il faut tenter de vivre. 風立ちぬ いざ生きめやも」を引用したもの。そして、ポスターに描かれた青空を背景に日傘の影に立つ女性は、こちらもフランスの画家クロード・モネの『日傘を差す女』を思い起こさせます。フランスでの公開日は未定ですが、早くも監督の引退を惜しむ声がネットの掲示板で見受けられます。フランスの宮崎駿ファンにとっても、『風立ちぬ』は他のジブリ映画より、思い入れがプラスされるかもしれませんね。

フランス語では、風が巻き起こることを再帰代名詞を使って「se lever=立ち上がる、起きる」と表現します。まさに「風が立つ」という訳がぴったりです。日常では「je me suis levé à 7h ce matin=今朝7時に起きた」という風に「起きる」という意味によく使います。ちなみに、お天気が曇り空で、少し陽射しが見えてきたようなときも「ça va se lever」と言うことがあります。
また、宮崎駿の最新作と言うなら「le dernier film de Miyazaki」と言えばOK。フランスでは一般的に「film de Miyazaki」と言えば、宮崎駿の作品を指します。「dernier(最後)」はこの場合、最新作という意味。

Photo : http://kazetachinu.jp

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