〈フランス映画駄話〉『パリの恋人』をさらに楽しめる裏話

Supported by 大塚製薬

まだまだ思うようにパリ旅行ができない日が続いていますが、そんな時に元気をくれる1本としてトリコロル・パリがおすすめしたいのが、1957年のミュージカル映画『パリの恋人』です。フランス生まれの自然派ビスケット「ジェルブレ」の公式サイトで連載中の「ジェルブレと楽しむフランス映画」の最新コラムはもうチェックしていただけましたか?『アメリ』『ミッドナイト・イン・パリ』『最強のふたり』『ディリリとパリの時間旅行』に続くおすすめ映画第5弾として、今回はパリを舞台にしたアメリカ映画である『パリの恋人』をピックアップしました。

→ 「ジェルブレ」公式サイト「ジェルブレと楽しむフランス映画」を読む。

こちらのコラムでは、『パリの恋人』がもっと面白くなる裏話を、私たちならではの目線で掘り下げます。それでは、お気に入りのジェルブレと温かい飲み物を準備して、パリへの空想旅行へ旅立ちましょう。それでは、On y va !

~ あらすじ ~

ニューヨークの本屋で働くジョーは、ある日ファッション誌の撮影に店へやってきたカメラマンのディックに見そめられ、次号のモデルに抜擢される。おしゃれに興味がないジョーだったが、彼女が心酔する共感主義を唱える哲学者フロストルに会えるならとパリでの撮影を承諾し、ディックや雑誌の編集長マギーと共にフランスへ向かう。

『パリの恋人』予告編
引用元:YouTube
Paramount Entertainment Nederland

そもそも原題は「変な顔」!

古い外国映画を見ていて、英語やフランス語の原題が邦題と全く違っていて驚くなんてことがありますが、この作品もそのひとつ。オリジナルの英語タイトルは「Funny Face」で「変な顔、面白い顔」という意味なのですが、これを「パリの恋人」と名付けた当時の映画会社の人はさすがですね!より原題に近いタイトルだったら、日本ではそこまで流行らなかったかも・・・と思ったり。やっぱり「パリ」という単語が持つパワーは半世紀以上前から強力だったようです。ちなみに、フランス語タイトルは「Drôle de Frimousse(おかしなお顔)」で原題とほぼ同じ。それにしても、この映画以降、「ファニー・フェイス」という単語が、個性的で魅力的な顔立ち、という風に解釈されるようになったのは、愛らしいオードリー・ヘプバーンのおかげでしょう。

カメラマンのディックが暗室で「僕は君のファニーフェイスが好きだ」と歌う表題曲は、自信を持てないジョーが少しずつ心を開いていくシーンにぴったりなのですが、実は本作のために書き下ろされたものではなく、元は1927年に上演されたミュージカルの舞台の1曲でした。作ったのはあのガーシュウィン兄弟で詞は兄のアイラ、曲は弟のジョージが担当し、ガーシュウィンらしい耳に心地良い甘いナンバーになっています。

マイケルも真似した?!おしゃれがいっぱい

名シーンのひとつ「ボンジュール パリ」での編集長マギーを参考にしたコーディネート。ベージュのコートに赤いタートルネックが効いてる。

パリでファッション誌の撮影をする、というのが本作のメインイベントだけに、ファッショナブルな衣装の数々はこの映画の影の主役ともいえる存在です。写真撮影やファッションショーでオードリーが着るのは、フランス人デザイナー、ユベール・ドゥ・ジバンシィがデザインした服。『麗しのサブリナ』以降、彼女が主演する映画で何度となく衣装を手がけたジバンシィですが、『パリの恋人』では主人公がモデルという設定もあり、とにかく着用する衣装の数が多いので、他の作品に比べてもかなり贅沢感があります。まるでバービー人形のように次から次へとドレスを着替えるオードリーの美しいこと!彼女の可憐さがジバンシィの服の上品さを際立たせ、逆もまた真なりで何度見てもうっとりします。ファッション史上この二人を超える組み合わせはないのでは?と思えるほどです。

今回見直して改めて感じたのは、ジバンシィ以外の衣装を手がけたイーディス・ヘッドの素晴らしい仕事ぶりです。シンプルで素朴だけど、役柄の輪郭をくっきりと描くようなスタイリングで、「映画衣装=ゴージャスで大女優感を演出する服」といったそれまでのハリウッド映画界の常識を覆した衣装デザイナーとして知られていますが、オードリーの出世作である『ローマの休日』のあのアン王女の凛とした着こなし(白ブラウスにウエストを絞ったフレアスカート!)も彼女が手がけています。特に今作では、オードリーがパリの酒場で踊る時に着ていたタートルネックとスリムパンツ、ローファーの全身ブラックのコーデに、真っ白なソックスをちらりとのぞかせたスタイリングが印象的。のちにマイケル・ジャクソンがこの着こなしからインスパイアを受けて自分のスタイルを作り上げたという説もあり、真相は分かりませんが、フレッド・アステアが大好きなマイケルのことなのでこの映画を見ているのは間違いないでしょう。いずれにせよ、こんな超絶シンプルなコーデがアイコニックなスタイルとして半世紀以上愛され続けているという事実に、イーディス・ヘッドの凄さを感じます。

アステアをはじめとするメンズファッションも本当にカッコいい!

編集長マギーを演じたケイ・トンプソンの衣装の良さも、自分が大人になってようやく分かりました。たっぷりとしたドレープ使いのベージュのコートや、黒いタイトなワンピースにベレー帽、赤いジレを合わせたスタイルも最高にかっこいいんです。そして、渋くダンディな魅力全開のフレッド・アステアの着こなしも流石!その後、映画『スティング』の衣装を手がけ、アカデミー衣装デザイン賞を受賞することになるメンズファッションにも強いイーディスの片鱗がすでに感じられます。アステアが闘牛士の真似をして踊るシーンで、ベージュのコートをひるがえすと赤いタータンチェックの裏地が現れるという仕掛けにくぅっときました。

オマージュシーンを探せ!

たくさんのバルーンを持つポージングはパリの撮影では定番中の定番

先ほどの全身黒&白ソックスの着こなしと同じく、この映画以降定番となったスタイルはいくつもあります。そのうちのひとつが、色とりどりのバルーンを持ったポージング!特にファッション雑誌や広告ではその後何度となくオマージュされている名シーンで、最近ではインスタグラムでもよく見かけます。かつてソフィア・コッポラが手がけた香水Miss DiorのCMでは、風船以外にも「Think Pink!」(映画冒頭の印象的なナンバー)に登場するブランコに乗る女性のオマージュもありますね。ちなみに、風船を持って飛んでいくという描写は、1956年のフランス映画『赤い風船』への目くばせとも言えるでしょう。また、ミュージカル映画として異例の大ヒットとなった『ラ・ラ・ランド』にも、風船を持つオードリー風の主人公(&赤い風船の男の子も!)がほんの一瞬登場します。それにしても、ブラックドレス姿のオードリーに風船を持たせようと考えたのは、一体誰なのか・・・とにかく、天才です!

そして、2006年の作品『プラダを着た悪魔』は「現代版パリの恋人」と言われるほど、そこかしこにこの映画へのオマージュを感じられるので、『パリの恋人』を見た後に、改めて見直すのがおすすめです。

とにかくパリ気分に浸りたい

「ボンジュール パリ」を締めくくるエッフェル塔のエレベーター内のかけあいは、ミュージカル映画史上に残る名シーンのひとつ

この映画の最大の魅力は、やはりパリが舞台である、という1点に尽きるでしょう。どんな場所でロケーションを行ったかはジェルブレのコラムで詳しく紹介していますのでそちらをご覧いただくことにして、こちらでは、いつ見てもテンションが爆上がりする「ボンジュール パリ」のシーンを紹介しましょう。シャンゼリゼ大通りのキオスクとモリス広告塔、オペラ座前のバス(広告パネルにあるPschittは1954年にペリエ・ヴィッテル社が販売した炭酸飲料)、セーヌ河岸の絵描き、モンマルトルの階段など、これぞパリ!という風景が続きます。そして最後に登場するエッフェル塔の風格がハンパありません!途中でパリ市内ではない場所が挟まれますが、それが一体どこかは映画で確認してみてくださいね。

『パリの恋人』を見ながらパリの空気を感じていただけたでしょうか?パリが恋しくなったら、ジェルブレをお供にこちらで紹介しているおすすめ映画でパリ気分をお楽しみください!

ジェルブレ公式サイト「ジェルブレと楽しむフランス映画Vol.5 パリの恋人

♡トリコロルがパリの情報をお届けする→ジェルブレ公式インスタグラム @gerble_jp
♡トリコロルのお気に入りビスケットをチェック→「フランスで見つけたおいしいもの」ジェルブレの「イチジク&ブランビスケット」


No Comments Yet

Leave a Reply

Your email address will not be published.