フランスお宅訪問:ショップオーナーらしいセンスが光るヴィンテージと現代クリエイターのエスプリを上手に融合させた一軒家

ナント郊外の静かな小道にたたずむ石造りの一軒家に暮らすミュリエルは、ヴィンテージ家具&インテリアとクリエイターの作品をセレクトするL’Atelier du Petit Parc(ラトリエ・デュ・プチ・パルク)というショップを営むオーナー。骨董とDIY好きが高じて、6年前にネットショップを立ち上げ、3年前に友人のイザベルとナントの中心地にお店をオープンさせました。 二人で丁寧に修理した古い家具のほか、クリエイターが作るインテリア雑貨や食器、アクセサリーなどが並び、ナントのおしゃれアドレスとして注目を集めています。

➕間取り➕
一軒家(5LDK 、150㎡)

→ L’Atelier des Petits Parcs オフィシャルサイト




ミュリエルがご主人のサミュエルと二人の息子アドリアン、クレモンと一緒に暮らすのは1929年に建てられた一軒家。当時、この界隈で果樹園を経営していた 地主が自分の子供たちに建設した家のひとつで、同じ通りに全く似た造りの家が並んでいるのが特長です。日曜大工が大好きなお父さんの影響で、ミュリエルも手作りすることが自分の楽しみ。2年という年月をかけて、サミュエルと一緒にじっくりと リフォームを手がけました。

壁をすべて壊し、毎日の暮らしに欠かせないキッチン、ダイニング、リビングを同じオープンスペースに配置。おかげで、料理をしていても子供たちの行動を把握できるのが安心だそう。キッチンはIKEAの家具をメインにモダンな雰囲気にし、暖炉のあるダイニングはミュリエルが修理したアアンティークの木のテーブルと椅子、ビビッドな色合いのヴィンテージのランプで飾っています。家具の色とのコントラストをつけるために、グレーのペンキで塗り直した古いフローリングは、部屋全体の印象もぐんと明るくしてくれる役割が。

ダイニングと同じスペースにあるアイランドキッチン。水周りは清潔感を大切に、IKEAの白い家具でモダンに仕上げました。IHクッキングヒーターを取り付けたアイランド部分は、広々としたテーブルトップでカウンターとしても使え、ミュリエルが仕事をしたり、朝食を食べたりとなにかと便利。奥の窓からは隣のリビングが覗けます。

リビングのベージュのソファは、HAYのドットクッションをさりげなく置いてシンプルに飾ります。ごちゃごちゃしがちな子供たちのおもちゃも、コロンとした可愛い形のパニエに収納すれば素敵なインテリアに。コンパクトな飾り棚には、看板に使われていたAの文字に子供がコレクションしているスターウォーズのLEGO。横に並ぶPEZもスターウォーズのキャラクター。好きな色を塗ったボードをまるで絵のように飾るのもグッドアイデア。

存在感のある書棚はお父さまから譲り受けたアンティーク。骨董好きの性分はお父さんから譲り受けたとみゅリエルは語ります。

白木のナチュラルではなく、あえて黒いフレームを選べば部屋の雰囲気がキリッと引き締まります。ドライフラワーを不揃いの瓶に生けてあるだけで絵になります・・・

廊下を挟んであるこの部屋は、ミュリエルのオフィス。ここにある机、椅子、本棚、子供王の家具もすべて彼女がきれいに修繕したアンティークのもの。机をグレーに塗ることで、モダンなiMacを置いても全く違和感を感じさせません。どっしりした家具を配置する際は、すっきりしたインテリアを心がけるのが洗練された雰囲気づくりの秘訣だそう。




スモーキーなモスグリーンのペイントが落ち着いた雰囲気のこの部屋は、キッチンと隣り合わせのもうひとつのリビングルーム。右側の壁にある黒枠の窓からキッチンとダイニングの様子が見えるようになっています。本を読んだりテレビを見たり、子供たちはソファに座ってゲームをしたりと、家族みんなのくつろぎの空間になっています。フランス家庭にとって大切な暖炉はそのまま残して、ドライフラワーを置いて飾っています。

6歳の次男クレモンくんの部屋。男の子だからといって、壁を青や水色ではなく、サンドベージュといったペールカラーに塗るのがポイント。ワードローブはあえてヤスリをかけて古い風合いを強調。奥にあるEPICERIEと書かれたお店やさんごっこの屋台は、ミュリエルが幼い頃にお父さんが手作りしてくれたものを息子に受け継ぎました。シンプルだけど、いたるところに手作りの愛情が感じられる子供部屋。

緑に囲まれた庭は、居住部分よりも一段下がったところにあり、元々は階段しかなかったそう。そこで、ダイニングと同じ高さの位置にテラスを自分たちで作り、天気の良い日は食事をしたりお茶を飲んだりでき、個人的にもとても満足しているスペースとのこと。その横には、雨の日でも外の雰囲気を楽しめる「Jardin d’Hiver ジャルダン・ディヴェール(冬の庭)」とフランス語で呼ばれる屋内テラスも作りました。

すべてリフォームした2階の浴室は、ゆったりとシャワーが浴びられるイタリア式シャワールームで、白とグレーでシックにまとめました。隣にはバスタブのある昔の浴室も残しているので、お客さんが来た時に便利だそう。




シンプルに飾った夫婦の寝室。サイドテーブルや壁のシェルフなど、家具はすべてヴィンテージのもの。真っ白なリネンにカラフルなクッションをいくつか置くだけで、可愛らしい雰囲気になるから不思議です。壁に飾った額はすべて同じクリエイターのもの。こんな風に統一感を出すことも、洗練されたインテリア作りのポイントかもしれません。

ドア越しのリビングもビシッと決まっていてカッコいい。こんな景色をふとした瞬間に目にできる家、ぜひ目指したいです。




No Comments Yet

Comments are closed