2020年2月1日（土）フランス時間午前0時、ついにイギリスが、47年間にわたって加盟してきたEU（欧州連合）から正式に離脱しました。このブレグジットがヨーロッパや世界に今後もたらすさまざまな影響については他のニュースサイトが詳しく説明してくれると思いますが、今日はフランス国内でこんな影響があるんですよ、というお話です。
ご存知のとおり、フランスは海をはさんでイギリスのお隣の国。フランスに暮らすイギリス人は40万人とも言われています。フランス人とほぼ同等の権利を得て第二の祖国のような気持ちで長年暮らしてきた数多くのイギリス人にとって、今回のブレグジットはおそらくかなりショッキングな出来事。11ヶ月の猶予期間を経て、来年1月からは欧州連合の市民としての権利を失い、いち外国人の立場となります。そして今後フランスに住み続けるためには、私たち在仏日本人同様に、滞在許可証を申請する必要があります。（ちなみに、現在イギリスに住むフランス人にとっても同じシチュエーションですね）
また、フランス全国の市町村議会議員のうち757人がなんとイギリス人。フランスとの二重国籍を持つ一部の議員を除いては、現在の任期満了後は再び立候補することができなくなります。市議会議員となり、住んでいる市をより住みやすくするために積極的に活動するほどにフランス生活に完全に馴染んでいるこれらのイギリス人市議会議員たちが、今回のブレグジットをとても残念に思っているというのも納得です。
ここで日本人的な感覚では「あれ？どうしてフランスでイギリス人が市議会議員になれるの？」という疑問が湧きますよね。実は、欧州連合の市民は、EU内を自由に移動し、居住する権利はもちろん、住んでいる国の市町村議会選挙に投票・立候補する権利が与えられるのです。だから、フランスなのにイギリスやベルギー、スペインなどなど…の国籍を持つ市議会議員が存在するというわけです。もちろん、いくら欧州連合の市民でも、大統領選挙にはさすがに投票も立候補もできませんが…😅
これからしばらくはフランスでも、ブレグジットの影響をいろいろ感じることがありそうです。