〈パリところどころ〉17. チュイルリー公園のメリーゴーランド

ときには可愛らしかったり、味があったり、歴史を感じたり…パリを歩いていると出会う、街角のさまざまな風景を、パリに暮らす日本人イラストレーターmarineさんの手描きのイラストとともにお届けします。




17. Manège du Jardin des Tuileries
チュイルリー公園のメリーゴーランド

「パリところどころ」第17回は、秋が深まり、木の葉が黄金色に輝くチュイルリー公園にあるメリーゴーランドです。リヴォリ通り沿いにある公園中央の入口から入って少し進んだ右手に、木々に隠れるようにたたずんでいます。

フランス語でマネージュ(manège)またはカルーゼル(carrousel)と呼ばれるメリーゴーランドは、昔から愛され続ける定番の遊具で、現存する最古のものがあるリュクサンブール公園や、エッフェル塔のそば、サクレ・クール寺院がそびえるモンマルトルの丘、パリ市庁舎前広場など、パリ市内だけでもいたるところでそれぞれに魅力的なメリーゴーランドに出会えます。1回数ユーロで、基本的には子ども向けですが、場所によっては大人も乗れるものも。

植物園内にあるものは馬ではなく絶滅危惧種の動物たちの乗り物だったり、ラ・ヴィレット公園内のものはジュール・ヴェルヌの世界観の乗り物だったりと、個性的なメリーゴーランドもありますが、やっぱりこのチュイルリー公園のメリーゴーランドのような、昔ながらのレトロな雰囲気のものが一番好き…冬の朝や夕方のうす暗いときは電球が灯されて、ますます幻想的で絵になります。

|Jardin des Tuileries |

⌘ イラストレーター

下山真鈴  Marine Shimoyama

東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。

12ヶ月のパリジェンヌ||marine-illustration.com||Instagram