18. Debauve & Gallais
ドゥボーヴ・エ・ガレ
「パリところどころ」第18回は、サンジェルマン・デプレ教会からほど近い場所にたたずむ老舗ショコラティエ「ドゥボーヴ・エ・ガレ」。
その歴史は18世紀に遡ります。創業者で薬剤師でもあったシュルピス・ドゥボーヴは、ルイ16世御用達のショコラティエ。チョコレートが薬のように考えられていたこの時代、ドゥボーヴが作った、頭痛薬を混ぜ込んだ薄いメダル型のショコラ「ピストル」がマリー・アントワネットのお気に入りだったと言われ、現在も同じ形のショコラをこのお店で買うことができます。マダガスカル産とエクアドル産をブレンドしたカカオのブラックチョコレートとバニラ、バーベナ、オレンジフラワー、蜂蜜で風味づけしたチョコレート。一度は試してみたい味です。
フランス革命を経て、1819年にはサン・ペール通り30番地に開店しました。1823年に甥のジャン=バティスト・ガレが加わり、現在の店名となります。
店舗のデザインを手がけたのはマルメゾン城やカルーゼル凱旋門、リヴォリ通りのアーケード付き建物も手がけた名のある建築家。薬局を思わせる半円形のカウンターを含めた内装や、深緑の色合いがシックなファサードは歴史的建造物として保存されています。
季節ごとにファサードを美しく飾り、目を楽しませてくれるこのお店。marineさんが描いてくれたのは、クリスマスの素敵なデコレーションです。ぱっと目を引くような華やかな飾りのお店が多いなか、このグリーンにライトが控えめにキラキラする落ち着きのある美しさ、さすが老舗の貫禄を感じますねー!
|Debauve & Gallais |
住所:30 rue des Saints Pères 75007
https://debauve-et-gallais.com/
⌘ イラストレーター
下山真鈴 Marine Shimoyama
東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。