パリとその近郊(イル・ド・フランス地方)の公共交通機関
切符の料金と種類
(2025年1月1日からの新料金)

2025年1月1日から、パリとその近郊(イル・ド・フランス地方)の公共交通機関(メトロ、バス、トラム、RERなど)のシステムと料金が以下のとおり大きく変わります。ここでは、長期滞在しない旅行者の方向けの情報をまとめます。パリ旅行の前には、RATP(パリ交通公団)のオフィシャルサイトにて最新情報を必ずご確認ください。




2025年以降にパリに行く方にとにかく知っておいてほしいこと3つ!

▶パリとその近郊(イル・ド・フランス地方)内のメトロ・電車はすべて2.50€、バス・トラムは2€の均一料金

▶シャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港から(へ)の料金は13€の均一料金

▶紙のチケットは基本的にないと思っておく!スマホに直接チャージ、または、Navigo Easy(カード代2€)を買ってチャージ。(詳細は下で説明しています)

2025年
ここが大きく変わる!

▶均一料金になる

これまでは5つのゾーン分けられ、パリ市から遠くに行くにつれて料金が上がる仕組みでしたが、ゾーンが廃止されて、パリとイル・ド・フランス内はどこからどこに行っても同じ料金(大人2.50€、空港除く)になります。たとえば凱旋門からルーヴルまでメトロ1番線に乗るときも、パリのオルセー美術館駅からヴェルサイユ宮殿に行くためにRER C線に乗るときも、まったく同じ料金です。これまで、ヴェルサイユ宮殿に行くRERのチケットを買うには、自分のいる駅から、行き先のVersailles Château Rive Gauche駅を指定してチケットを購入する必要がありましたが、これからはイル・ド・フランス地方内であれば行き先を気にせずに同じチケットを使えます。

▶10枚綴りの割安セット「カルネ」がなくなる

チケットを先に何枚買っても割安にはなりません。1日乗り放題パス(Navigo Jour)や、複数日の乗り放題パス(Paris Visite)は継続。

2024年以前にパリに来たことがある方へ

・2024年以前にパリに来て買った乗車券やカルネが残っている場合、そのチケットは2025年も使えますが、使用可能な範囲は買った時点のまま(パリ市内のメトロとRER、バス、トラム)で、イル・ド・フランス全域では使えません。
・これまでメトロとバスは同じチケットで乗れましたが、2025年からはチケットの種類が変わるので別々に買う必要があるので要注意です。

在住者、長期滞在者の方へ

年間定期券の元がとれるほどは乗らないものの、定期的に交通機関を使う、長期滞在の方や在住者の方には、使った分だけ翌月にまとめて銀行口座から引き落とされるNavigo Liberté+カードが最もお得です。1回乗車券の料金は、メトロ・国鉄電車・RERは1.99€、バス・トラムは1.60€。→申し込みはこちらから

パリとイル・ド・フランス地方のメトロ・RER
国鉄電車・バス・トラム
新料金(2025年1月1日から)

Ticket Métro-Train-RER
メトロ・国鉄電車・RERのチケット
2.50€の均一料金(4〜9歳は1.25€)

▷パリとイル・ド・フランス地方全域のメトロ、国鉄電車、RER、ケーブルカーで有効。
▷有効時間:2時間
▷乗り換え:2時間以内であれば、メトロ、国鉄電車、RERの乗り換え自由(*シャルル・ド・ゴールとオルリーの空港駅を除く、空港までの料金は後述)

Ticket Bus-Tram
バス・トラムのチケット
2€の均一料金(4〜9歳は1€)

▷パリとイル・ド・フランス地方全域のトラム、バスで有効。
▷有効時間:1時間30分
▷乗り換え:1時間30分以内であれば、トラム、バスの乗り換え自由

⚠️注意点
メトロからバスに乗り換える場合は新たにバスのチケットが、バスからメトロに乗り換える場合は新たにメトロのチケットが必要になります。

Ticket Paris Région <> Aéroports
パリとイル・ド・フランス地方全域⇔空港のチケット
13€(4〜9歳は6.50€)

▷シャルル・ド・ゴール空港発着、オルリー空港発着、どちらも均一料金。パリとイル・ド・フランス地方全域のメトロ、国鉄電車、RER、ケーブルカーで有効。
▷有効時間:2時間、メトロ、国鉄電車、RER、ケーブルカーの乗り換えは自由。ただしトラムやバスへの乗り換えなどで一度外に出たら有効時間が終了。
▷紙のチケットはなく、下記のやり方で、スマホやNavigo Easyへのチャージが必要。

⚠️注意点
チャージして使う場合、すでに1回乗車券や乗り放題パスが入ったナヴィゴにこの空港専用チケットをチャージすることはできません。ナヴィゴ・イージーのカードを使っている人は、もう1枚新たにカードを用意する必要があります。スマホにチャージしている人は、スマホのアプリ内で新たにカードを作成してチャージしてください。

Navigo Jour
1日乗り放題パス
12€(子供料金なし)

メトロやRER、国鉄電車を1日5回以上使うなら、Navigo Jourがお得!
▷パリとイル・ド・フランス地方全域のメトロ、国鉄電車、RER、バス、トラム、ケーブルカーで有効な乗り放題1日乗車券でその日の24時まで有効。
▷シャルル・ド・ゴールとオルリーの空港駅、ロワッシーバス、オルリーバスは利用不可。
▷紙のチケットはなく、下記のやり方で、スマホやNavigo Easyへのチャージが必要。

Paris Visite
パリ・ビジット(乗り放題1〜5日券)
1日:29.90€(4〜9歳14.95€)
2日:44.45€(4〜9歳22.20€)
3日:62.30€(4〜9歳31.15€)
5日:76.25€(4〜9歳38.10€)

▷パリとイル・ド・フランス地方全域のメトロ、国鉄電車、RER、バス、トラム、ケーブルカーで有効な乗り放題乗車券。
▷シャルル・ド・ゴールとオルリーの空港駅、ロワッシーバス、オルリーバスも利用可。
▷紙のチケットはなく、下記のやり方で、スマホやNavigo Easyへのチャージが必要。

これまではこのパリ・ビジットを持っていると、パートナー提携する美術館や観光スポットの割引を受けられましたが、現在、RATPのパリ・ビジット紹介ページ英語版にはこのパートナー情報が掲載されていません。2025年からパリ・ビジットが紙のチケットでは販売されなくなることに伴い、パートナー割引についても何かしらの変更がある可能性があります。詳細が分かり次第、情報を更新します。



各種チケットの買い方

乗車券を買う方法は大きく分けて3種類です。
<1>紙のチケット
<2>スマホにチャージ
<3>ナヴィゴ・イージーにチャージ
iPhoneまたはAndroidのスマホを持っている方は、<2>のスマホに直接チャージして、自動改札機でスマホをかざして使うのが便利ですが、メトロやバスに乗るたびにスマホをかばんから取り出したくないという方は<3>のNavigo Easyカード(カード代2€)をおすすめします。

<1>紙のチケット

購入は自動券売機で。紙のチケットが買えるのは1回乗車券のみで、Navigo Jour(ナヴィゴ・ジュール・1日乗り放題券)やParis Visite(パリ・ビジット・乗り放題1〜5日券)はナヴィゴ・イージーやスマホへのチャージのみです。紙の1回乗車券(新しい均一料金)の販売は2025年1月からも継続されますが、2025年末には完全に廃止されます。すでに購入済の乗車券(2024年までの料金)は少なくとも2025年末までは使用可能です。

<2>スマホ(iPhone/Android)にチャージ

方法その1
RATPの公式アプリの中で、チャージ先に自分のスマホを選び、買いたいチケットを選択して購入する。
→ iPhone用アプリ(App Store)
→ Android用用アプリ(Google Play)
RATPの公式アプリ画面右下にある「Titres」をクリックします。自分のスマホ(iPhoneなら「Sur mon iPhone」)を選び、指示に従って、希望する切符の枚数などを選択し支払いをするとチャージされます。

方法その2
iPhoneの場合、Appleウォレットに「フランス」の「Navigo」を追加。買いたいチケットを選択して購入、チャージする。

使い方

自動改札機の読み取り部にスマホをかざして使います。そのためにわざわざアプリを開く必要はなく、スマホの画面が暗いままでも使えます。スマホの機種次第では、電源が切れていても使えるものもあります。

<3>Navigo Easy ナヴィゴ・イージーにチャージ


1回乗車券や乗り放題パスをチャージして使えるカード(2€、使わなくなったときのカード代2€の払い戻しのサービスはなし)。個別のチケットを1枚ずつ、オルリーバスとロワッシーバスのチケット、1日乗り放題パスなどを自動販売機でチャージして、パリとイル・ド・フランス地方全域の公共交通機関で使えます。証明写真は不要。10年間有効なのでパリ旅行のたびに持参すればチャージして使え、余った分は次回の旅行で使えます。

|ナヴィゴ・イージーのパスの買い方|
・窓口で2€でカードを購入し、自動販売機でチャージする(窓口ではクレジットカード払いのみなので注意)

または

・自動販売機で「Bon pour navigo easy」を選んで2€を支払い、出てきたチケットを窓口でカードと交換してもらい、チャージしてもらう、または自動販売機でチャージする。

または

・オペラ駅、モンパルナス駅など、大きな駅にはパスを買える自動販売機が設置されている場合もあります。

|ナヴィゴ・イージーのパスのチャージ方法|
・各メトロ駅の自動券売機で買う。

券売機の指定の場所にナヴィゴのパスを置き、画面上でNavigoを選び、指示に従って希望するチケットを選択し、クレジットカードで支払います。券売機によっては現金を受け付けるものもあります。支払い後、画面上に「パスがチャージされました」の旨が表示されてからパスを取りましょう。

・RATP公式アプリでチャージする
→ iPhone用アプリ(App Store)
→ Android用用アプリ(Google Play)
①RATPの公式アプリをスマホにダウンロードして、画面右下にある「Titres」をクリックします。スマホの下にナヴィゴ・イージーのパスを当てがい、「Lire mon passe(パスを読み取る)」のボタンをクリックすると、パスに残っている切符の枚数が表示されます。

②その後「Acheter sur mon passe(パス用の切符を購入する)」というボタンが表示されますので、それをクリックし希望する切符の枚数や10枚綴りカルネなどを選択し、クレジットカードで支払いをします。

③支払いが済むと「Charger mon passe(パスをチャージする)」というボタンが表示されるので、再度パスをスマホの裏側に当てがい、そのボタンをクリックし、きちんとチャージされるまで待ちます。

④念の為、「Lire mon passe(パスを読み取る)」を試して、購入した枚数が正しく加わっているか確認すると良いでしょう。

地下鉄・RER・バスの乗り方とそのコツ

1回乗車券を利用できる乗り物(パリとイル・ド・フランス地方全域)
・メトロ
・国鉄電車
・RER(郊外電車)
・バス
・トラム
・モンマルトルの丘のケーブルカー

子供料金の年齢
0〜3歳は無料。4〜9歳まで割引料金(Tarif reduit)が適応されます。ただし、Navigo Jour(1日乗り放題パス)は子供も大人と同じ料金になります。

購入した切符の有効期限
基本的に改札を通していない切符の有効期限は定められていないので、数年後にパリに訪れた際に利用できます。紙のチケット販売は2025年中で終了しますが、手元に残っているチケットは使えます。

紙の切符やナヴィゴのカードの購入場所
・乗車券の購入はメトロ、RER駅の自動券売機で。支払いは小銭かクレジットカードでお札が使えないので要注意。
・稀にメトロ、RER駅の窓口にて駅員から購入できる場合もあります。
・ナヴィゴを初めて購入する際は窓口にて駅員から購入します。その後、チャージをする際は、駅構内にある自動券売機やナヴィゴ専用の自動チャージ機を使います。
・街中のカフェやタバコ屋さん(RATPの看板を掲げてある)
切符の購入可能な場所のリスト




乗り方のコツや注意点
・乗車駅で切符を自動改札に通したら、下車駅の改札を出るまで何度でも自由に乗り換えができます(有効時間参照)。
・メトロ駅で下車する際は、切符を通す改札はなく「Sortie」と書かれた扉を抜ければOK。
・RER駅で下車する際は、切符を改札に通す必要があります。
・メトロからRER、RERからメトロに乗り換える際は、RER駅の改札に切符を通す必要があります。
・バスとトラムは運転手席のある前のドアから乗車します。運転手席横にある改札機にチケットを挿入して刻印しましょう。
・コンコースで駅員が検札をしていることが頻繁にあるので、改札を通した切符は決して無くさないよう手に持っておくと良いでしょう。無くしてしまった場合、罰金が課せられますので注意しましょう。
・紙の切符はクレジットカードやスマホなどの磁気の近くに置くと、改札を通れなくことがあります。その際は窓口にその旨を伝えて新しい切符を発行してもらいましょう。




→ RATP パリの地下鉄・RER・バス・空港シャトルバスの路線図