パリで旅行者のスリ被害が絶えないことを受けて、トリコロル・パリから、みなさんに注意を喚起するページ「パリ旅行最大の敵、スリ被害にあわないために…」を作ったのは2013年。以来、残念ながら被害に遭われた読者のみなさんから、たくさんの貴重な体験談が届いていますのでこのページでご紹介します。
新たな体験談も引き続き募集中ですので、コメント欄から、または contact@tricolorparis.com まで気軽に投稿してください。
これからパリ旅行の方は、ぜひ一読して、心の準備とスリ対策をしてからお越しくださいね。
2021年2月 MS さん
13区在住 女性 30代
車移動中、信号待ちでの出来事です。
一度目は新生児と思われる子供を抱えた母親(?)と数人の子供に車を囲われ、信号が変わるも子供たちが退かず、後ろからクラクションを鳴らされたのでコインを渡しました。パリ市内での出来事です。
二度目は中年女性に「マダム、マダム」と窓ガラスを叩かれお金を要求されましたが、無視を決め込み実害はありませんでした。
信号が変わり発車した後、声をかけて来た中年女性と近くにいた男性二人が話している姿をサイドミラー越しに確認しました。
もしかしたら男性二人は用心棒だったのかもしれません。
こちらはパリ近郊での出来事です。
パリ近郊の大型スーパー周辺の交差点で信号待ちを狙ったロマを何度も目撃しています。交差点近くにある一見不法投棄された荷台や車・コンテナはロマの住居になっています。
車移動中も鞄を膝の上や空いているシートに置いていると、無理やり窓ガラスを割り奪っていく集団もいます。鞄は外から見えない足元に隠す事をお勧めします。
車移動も要注意です。
2020年9月 くにちゃん さん
2014年の2月か12月、確かオペラ座を朝早く見に行った時に、正面の通りに人通りもなく、私170cmよりやや大きな女性が近づいてきて、新聞を見せようとしたかよく憶えていないのですが、ドイツと同じやり口に見えたので、逃げようとしたら腕をつかまれたかで、振り切ったらオーバーの第一ボタンがちぎれました。数メートル離れてもにらんでいました。
「泥棒」とか「ポリース」とか言おうと思ったが、どちらも役に立ちそうになくやめました。その旅行の時には、地下鉄で日本語で「スリにご注意!」とかいう放送が流れてびっくりしました。オペラ座見学して、その中の土産物屋さんに寄ったら、日本人の店員さんだったと思うのですが、「スリに注意してくださいね」と言われて、実は入る前にそのようなことに会ったと話しました。
危険なところへは行かないようにしないととは思いますが、どこが危険な場所かわからない部分もあって。アンヴェールでだったか、地下鉄出口を券無しで無理やり通ってくる若者を見た時は、ああここは下町で少し物騒なところなのかもと思ったりしました。でも一般的には、パリは安全で人は親切です。日本人は、体格も小さく小銭を持っていて用心できていないので狙われやすいようですね。
2020年8月 英 謙さん
2014年、女房の退職記念❔にパリに立ち寄り、5日程滞在しました。オランダアムステルダムからタリスでパリに到着、写真が趣味で構内を観光客よろしく(田舎者丸出しで)写真を数枚とっていたら、インド亜大陸系と思われる中高生数人が寄ってきてジェンダ問題か何かの支援の署名を求めてきた。アムステルダムの治安が余りにも良かったせいか、警戒心を忘れ、署名くらいならと思って署名をした。
それがワナであるコトが署名ボードを見て気が付いた。お金を寄付してくれと、仕方がないので少額硬貨(確か50セントとかの)を渡したら、もっと大きなのを呉れと要求された。それ以上カモになる意思もなかったので、ポケットの中をまさぐるふりをして、硬貨(5セント程か❔)を数枚手に、これしかないと見せたところ、何とそのインド系の風貌をした女の子はその少額硬貨をひったくった上、遠くに投げ捨てたではないか!
幸い、パリ初日に署名サギに遭遇したので、滞在期間中大いに警戒心を高めるコトが出来た。この時、見ず知らずの若い女性(白人)が寄ってきて、日本ではないかもしれないが、パリはこういうコトが多い、ごめんなさい!と謝ってくれた(関係ないのに)。
因みに、旅行する際、パスポート、カードや紙幣などは小さな布の袋に入れ、首にかけシャツの中に入れて外から見えない様に工夫をしている。一度パッサージュ(パノラマだった様な)で買い物をした際、お金を支払うのにシャツの中から取り出したら、老婦人の店主から、「トレビアン」等とほめられた?
2020年7月 Fumiさん
2019, 4月某日
被害には遭っていませんがロマ人少女グループを警官男女2人組が捕らえた時の様子をお話しさせて頂きます。Franklin D Roosevelt バス停にて主人と私がTuileries 方面行きのバスを待っていた時の事です。
ロマ少女の集団(10歳〜15歳くらい)が10数人やってきて何やら口論を始めました。後に彼女らは2つのグループに分かれて、片方のグループが我々とバスを待つことになるのですが中にはふてぶてしくタバコを吸う少女もいました。
その間20分、同じくバスを待っていた欧州人の母娘は雰囲気の悪さにバスを諦めて地下鉄へ。日本人のカップルも去りました。又、バス待ちでは無いですがDOLCE & GABBANAとSAINT LAURENTで決めたトランスジェンダーカップルは次のお買い物ShopをiPhoneで検索しながらバス停横で相談中。バーキンから中身がのぞいていたので心配でしたがこの2人は身長が180センチ程あり、結構強そうでした。ロマ達も獲物を見る目で注目していましたが実際手を出すことはありませんでした。
その後バス待ちがロマ以外に10数人に増え、中に幼児と5歳くらいの子を連れた欧米4人家族が加わりました。
「ロマ達が先頭にいたので後から乗って車中で囲まれたら嫌だな」と思い、バスが到着した瞬間に主人を連れて後ろから乗り込みました。するとロマの1人が同じく後ろから飛び乗ってきたので警戒していると、何処からやって来たのか突然警官達が大声を出しながらバスに乗り込んできてロマっ子達をバスから降ろしました。後ろから乗り込んだロマ少女は怯えてバスの中で小さくなって隠れていましたが警官が彼女の事も見つけてバスから引きずり降ろしました。この警官は体格の良い2m級のアフリカ系です。ロマ少女は小柄で細い子が多いですが彼女も例外ではなく小柄で
警官から腕を掴まれ、バスから引きずり下ろされた時は地に足が着いていなかった様に見えました。それくらい強引に乱暴に降ろされたのです。バス停に6人は並ばされ、バックを開けられると盗んだと思われるものが出てくる出てくる…
この年はパリに1ヶ月滞在し、地下鉄よりもバスを利用する事が多かったです。好んで19区辺りをウロウロはしませんがサンマルタン運河、モンマルトル、そして列車に乗って地方にも行きます。ぶらぶら散歩が好きです。もう何年もヨーロッパや中東をこんな感じで旅していますが一度もスリ被害にあった事がなく、今まではただのラッキーだったのか?と。皆さんの体験談を拝見して本当に怖くなり、改めて気の引き締まる思いでした。貴重なお話を聞かせて頂いてありがとうございました。
因みに私の服装は大抵の場合、黒のデニムにシャツ、スニーカーです。星付きレストランに行く時はお洒落もしたいのでタクシーに乗ります。ブランドもまだ興味があり、ついつい買い物にも行ってしまいますが特にエルメスで買い物をした時はオレンジの袋や箱は貰わないで中身だけエコバックに入れて持ち帰ります。箱も欲しいですが帰国するまで常に狙われる気苦労が負担になるので諦めています。余計な事と思いつつ、もし良ければ参考になさってください。
今年も9月に渡仏予定でしたがコロナ禍の中、人への健康の気遣いに慎重になるべきですし、そして大稼働中のスリも今更ですが怖くなり、旅行中止の大きな要因になりそうです。
2020年2月 30歳男性 一人旅さん
私の装いは、パンパンのリュックを前に背負い、左の前ポケットにケータイと折りたたみ財布をいれてパンパンでした。
2020年2月 新宿のヤンキーさん
20代男性です。2020年2月、4泊のパリ滞在中に3回も署名スリに狙われました。友人で2人で行動していた時にはターゲットにされず、いずれも1人で行動していた時の出来事でした。
地下鉄の駅などでお金を恵んでくださいと待機している方と違い、スリ犯たちはどさくさに紛れて人のものをくすねる曲がった根性の持ち主です。優しい方はスリ犯にもスリ犯なりの事情がある…と思ってしまうかもしれませんが、同情の必要性は皆無です。
1回目
ルーブル美術館のそばにて
署名を要求するお決まりのパターンですが、事前知識がなかったのでスリ軍団とは知りませんでした(反省)。ただ善良な市民ではないと感じたので、立ち止まらずスルーするも、身体を密着させてしつこくついてきます。そのうちに署名ボードで隠しながら、着ていた革ジャンのポケットの辺りに手を当てていることに気がつき、スリだと発覚。こちらが気がつけば彼女たちは行動をやめるようで、あははと笑って去って行きました。結果ポケットは開けられてしまいましたが、何も取られずに済みました。なるほどパリのスリ犯はこういう手口でやるのか…と学ばせてもらいました。
その後友達と行動している時には、エッフェル塔付近でも同様の軍団を見かけましたがターゲットにはされず。カバンを持っていなかったので、アウターの革ジャンのポケットに貴重品を入れていましたが、これを反省。スリのターゲットにされた翌日以降は、革ジャンの上にもう一枚薄いウィンドブレーカーを着用して前のジッパーを閉め、万一に備えるようにしました。
2回目
モンマルトルの階段最上部にて
階段を降りる1段目で、お決まりの署名女が1人待機、またもターゲットにされる。こちらも既に手口は知っているのでガン無視を決め込み、密着させてくるふくよかな身体に対しては、肘で対抗して進路をこじ開けます。とにかく目を合わせず、身体を近づけさせないことが大事です。ビビってしまいがちな方は、荷物を守りながらも大股歩きで突破を試みてみましょう。自然と肘も大きく触れますので、スリ犯も身体を近づけにくくなります。
3回目
モンマルトルの階段中腹にて
今度は集団女たち。またもターゲットにされる。向こうの目から見れば、アジア人の若い男1人は格好のターゲットなんだろうなと思った。ムカつく。多少混雑しているエリアですが、「止まらないこと」「肘を使うこと」で強行突破。犯行現場を隠すために突き出してくる署名ボードは、下から肘で突き上げる。くっつけてくる身体も肘で除去。暴力は決して良いことではありませんが、混雑時において肘が当たることはままあることなので、このくらいなら自己防衛の範疇だと思います。リーダー格の女が奇声を上げて注意を引こうともしますが、気を緩めてはいけません。
その後話しかけてきたミサンガ売りのお兄さんたちはまだ可愛いものです。立ち止まらなければしつこくありません。
海外に慣れている慣れていないを問わず、アジア人の見た目である以上あなたもターゲットにされています。当たり前のことに気をつけながらも、ターゲットにされてしまった時には「俺様に気安く話しかけてくるとは見上げた根性だな」くらいの気概で突破しましょう。
(追伸)
せっかくの楽しいパリ旅行に水を刺すような投稿をしてしまい申し訳ないです。ただ、こう考えてみたらどうでしょう?
「彼女たちも本来であれば、他の合法な手段で経済的な独立を目指すべきで、彼女たちの将来のためにも、そんな簡単にスリを遂行させてはならないのだ」
こう思えば、少しは気が楽になりませんか?