©︎ Chantal Akerman Foundation
特別鑑賞券を5組10名様にプレゼント!
1950年にベルギーのブリュッセルに生まれ、2015年にパリで逝去するまで、文芸作からミュージカル、ドキュメンタリーといったジャンルや形式にこだわらない数々の意欲作を世に放ってきた女性監督、シャンタル・アケルマン(Chantal Akerman)。一般的な知名度はさほど高くありませんが、シネフィルの多いトリコロル・パリの読者の方々の中には、映画に革命を起こした女性監督として名高い彼女の名前をご存知の方もいらっしゃるでしょう。
この度、「シャンタル・アケルマン映画祭2022」と銘打って、彼女の代表作5本のデジタル・リマスター版が本邦初公開されます!ソフトでもなかなか見ることのできない70年代と2000年以降の作品を一挙に、しかも大スクリーンで観られる貴重な機会です。
さらに、配給会社マーメイドフィルムさんとのコラボ企画として、Twitterをフォロー&RTで特別鑑賞券を5組10名様にプレゼントいたします!詳しくはこのページの一番下までスクロールしてご覧ください。
『私、あなた、彼、彼女』Je Tu Il Elle
© Chantal Akerman Foundation
出演:シャンタル・アケルマン、クレール・ワティオン、ニエル・アレストリュプ
1974年/ベルギー・フランス/モノクロ/86分
アケルマン自身が演じる名もなき若い女がひとり、部屋で家具を動かし手紙を書き、裸で砂糖をむさぼる。部屋を出た彼女はトラック運転手と行動を共にし、訪れた家で女性と愛を交わす。撮影時24歳だったアケルマンによる“私”のポートレイト。殺風景な空間と単調な行為が彼女の閉塞感や孤独を際立たせ、激しく身体を重ね合うことで悦びがドラマティックに表現される。観客は彼女の道程を緊張感を持って見つめることによって、その“時間”を彼女と共有する。
『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』Jeanne Dielman, 23, quai du Commerce, 1080 Bruxelles
© Chantal Akerman Foundation
出演: デルフィーヌ・セイリグ、ジャン・ドゥコルト、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ
1975年/ベルギー/カラー/200分
ジャンヌは思春期の息子と共にブリュッセルのアパートで暮らしている。湯を沸かし、ジャガイモの皮を剥き、買い物に出かけ…アパートの部屋に定点観測のごとく設置されたカメラによって映し出される反復する日常。その執拗なまでの描写は我々に時間の経過を体感させ、反日常の訪れを予感させる恐ろしい空間を作り出す。主婦のフラストレーションとディティールを汲み取った傑作。ジャンヌを演じるのは『去年マリエンバートで』(61)『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』(72)のデルフィーヌ・セイリグ。
『アンナの出会い』Les Rendez-vous d’Anna
© Chantal Akerman Foundation
出演:オーロール・クレマン、ヘルムート・グリーム、マガリ・ノエル
1978年/ベルギー・フランス・ドイツ/カラー/127分
最新作のプロモーションのためにヨーロッパの都市を転々とする女性映画監督を描く、アケルマンの鋭い人間観察力が光る一本。教師、母親、母親の友人らとの接触を挟みながら、常に孤独に彷徨い歩く主人公アンナの姿と、日常に溶け込みはしない断片的な空間と時間とを通して、アイデンティティや幸福の本質が絶妙な構成で描き出されている。『パリ・テキサス』(84)のオーロール・クレマン、『キャバレー』(72)のヘルムート・グリーム、『フェリーニのアマルコルド』(73)のマガリ・ノエルとアケルマン作品にしては豪華なキャストが揃う。
『囚われの女』La Captive
© Corbis Sygma – Marthe Lemelle
出演: スタニスラス・メラール、シルヴィ・テスチュー、オリヴィエ・ボナミ
2000年/フランス/カラー/117分
祖母とメイド、そして恋人のアリアーヌとともに豪邸に住んでいるシモンは、アリアーヌが美しい女性アンドレと関係を持っていると信じ込み、次第に強迫観念に駆られていく。マルセル・プルーストの「失われたときを求めて」の第五篇、「囚われの女」の大胆で自由な映像化。嫉妬に苛まれ、愛の苦悩に拘束される虜囚の境地をアケルマンは洗練された表現で描写する。公開年の「カイエ・デュ・シネマ」ベストテンで2位に選ばれた傑作。
『オルメイヤーの阿防宮』La Folie Almayer
© Chantal Akerman Foundation
出演: スタニスラス・メラール、マルク・バルベ、オーロラ・マリオン
2011年/ベルギー・フランス/カラー/127分
東南アジア奥地の河畔にある小屋で暮らす白人の男オルメイヤー。彼は現地の女性との間に生まれた娘を溺愛し外国人学校に入れるが、娘は父親に反発するように放浪を重ねていく。『地獄の黙示録』(79)のもとになった「闇の奥」で知られるイギリスの作家ジョゼフ・コンラッドの処女小説を脚色。時代も場所も明かされず抽象化された設定の中で、狂気と破滅の物語が繰り広げられる。原作の持つ実存主義と家父長制という重苦しいテーマを孕みながらも、アジアの街並みを自在に歩き回る娘を横移動で捉えたカメラが素晴らしく、幻想的なまでに美しい。
|シャンタル・アケルマン監督プロフィール|
1950年6月6日、ベルギーのブリュッセルに生まれる。ユダヤ人の両親を持ち、母方の祖父母はポーランドの強制収容所で死去。ユダヤ人でありバイセクシャルでもあったアケルマンは、15歳の時にジャン=リュック・ゴダールの『気狂いピエロ』を観たことをきっかけに映画の道を志し、18歳の時に自ら主演を務めた短編『街をぶっ飛ばせ』(68)を初監督。その後ニューヨークにわたり、初長編『ホテル・モンタレー』(72)や『部屋』(72)などを手掛ける。ベルギー帰国後に撮った『私、あなた、彼、彼女』(74)は批評家の間で高い評価を得、翌年、平凡な主婦の日常を描いた3時間を超える『ジャンヌ・ディエルマンブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番』は世界中に衝撃を与えた。その後も多くの意欲作を監督し、母親との対話を中心としたドキュメンタリー『NoHome Movie』(2015)の完成後、2015年10月にパリで逝去。
特別鑑賞券を5組10名様にプレゼント!
トリコロル・パリとマーメイドフィルムのコラボ企画。両方のツイッターアカウントをフォローして、トリコロル・パリの本企画該当投稿をリツイートするだけで気軽に参加できます。
|応募期間|
2022年4月8日(金)〜4月17日(日)23:59 締め切り
|応募方法|
◉ トリコロル・パリとアケルマン映画祭の両方のツイッターアカウントをフォローする。
◉ トリコロル・パリのこのプレゼント企画に関する投稿をリツイートする。
|連絡方法|
5名の当選者決定後、ツイッターのDMにアケルマン映画祭のアカウント(@akermanfilmsjp)から個々にその旨をご連絡いたします。折り返し、お名前とご住所を返信いただき次第、ペアの特別鑑賞券を郵送いたします。
|ご注意|
・チケットはヒューマントラストシネマ渋谷での映画祭でのみ利用可能です。
・映画祭開催中のお好きな映画・時間を1つお選びいただけます。公式HPや映画館のHPから上映時間をご確認頂けます。
・2名様で同じ映画をご覧いただけます。
・映画祭終了後は無効になります。
・DMへの返信が映画祭開催中に頂けない場合は、当選が無効となりますのでご了承ください。
シャンタル・アケルマン映画祭2022
期間:2022年4月29日(金)〜5月12日(木)
劇場:ヒューマントラストシネマ渋谷
※ 5月1日と4日にトークイベントあり。詳しくはホームページで。
料金:当日一般 ¥1,900、大学生 ¥1,500、中高生・シニア ¥1,000、每週水曜サービスデー ¥1.200
オフィシャルサイト:https://chantalakerman2022.jp