〈フランス的植物療法のススメ〉11月のフィトテラピー

植物の薬理作用を利用して、心と体を整える植物療法 「フィトテラピー」は、フランスではおばあちゃんの知恵と同じように古くから受け継がれる自然療法の一つです。ここでは、パリ在住のフィトテラピストmakiさんが、よく使われるハーブや精油を季節に応じた症状別にピックアップ。日本でも取り入れやすいフィトテラピーを通して、毎日がより快適で楽しくなるアイデアをパリからシェアします。




ここでご紹介するフィトテラピーは、病気を治すためのものではありません。自然治癒力を高め、ちょっとした心身の不調を整えたり、予防法の一つとしておすすめするものです。

自分の身体の声を聞いて、皆さんの毎日を快適にするヒントとなれば嬉しいです。

11月のフィトテラピー
Novembre

ハーブと精油で喉のケア

秋が深まり朝晩は冷え込む季節になりました。そろそろ空気の乾燥が気になる頃ではないでしょうか。冷たい外気や暖房による乾燥で喉の痛みを感じる時には、植物のやさしい力で喉にうるおいを与え、季節の変化から身体を守りましょう。
今回は、喉のケアに役立つハーブティーと精油を3種類ご紹介します。

〔 タイムのハーブティー 〕

(学名 Thymus vulgaris)
強い抗菌作用があるハーブとして知られるタイムは、喉の炎症や風邪の初期症状に効果があるといわれています。呼吸器系全般の不調にも役立ちます。味はやや癖があるため、リンデン(9月のコラムで紹介)やカモミールなどとブレンドすると飲みやすくなります。

* 妊娠中の使用は不可です。

乾燥タイムは、多くのパリのオーガニックスーパーのハーブティーコーナーでも販売しています。こちらはBiocoop(ビオコープ)で購入しました。

〔 エルダーフラワーのハーブティー 〕

(学名 Sambucus nigra)
エルダーフラワーは、ヨーロッパではポピュラーなハーブです。発汗・粘膜保護作用を持ち、風邪の初期症状に効果があり、喉や鼻の不快感をやわらげてくれます。やさしい花の香りとほのかな甘みで飲みやすく、タイムとブレンドすると味のバランスがよくなります。

*スイカズラ科アレルギーの人は注意が必要です。

エルダーフラワーのハーブティーとユーカリ・ラディアタの精油。どちらも我が家では常備しています。

〔 ユーカリ・ラディアタの精油 〕

(学名 Eucalyptus radiata)
ユーカリ・ラディアタは、呼吸器系にやさしく働きかける精油で、喉の不快感や鼻づまりの緩和にも役立ちます。清涼感のある香りが呼吸を楽にし、空気をクリーンに保ってくれるため、秋冬に活用したい精油です。ディフューザーで室内に香らせて空気を浄化するのもよいです。また洗面器にお湯を張りユーカリ・ラディアタの精油1滴を垂らして蒸気吸入(3〜5分ほど)すると鼻と喉がすっきりします。

* 6歳未満のお子様、喘息の方は使用を避けてください。妊娠中の方も控えましょう。

精油とハーブの安全な使い方

• ユーカリは種類が多いので注意してください。購入の際には、商品に表示してある学名を確認してください。
• ハーブティーは、乾燥ハーブ小さじ1に熱湯200mlを注ぎ、約5〜10分蒸らすのが目安です。タイムは味にややクセがあり、濃くすると飲みづらいかもしれません。単体で飲む場合は5〜7分位がおすすめです。
• 体調や体質によって合わない場合があるため、少量から試すのがおすすめです。

パリの11月は公園の木々や街路樹が黄色くなり、太陽に照らされて温かな光を放っています。

お 知 ら せ

オーダーメイドフィトテラピー

©︎sebastiencavaille

パリ市内にて女性のためのフィトテラピー(植物療法)のオーダーメイドケアを行なっております。
フランス式フィトテラピーをベースに、日本でも親しまれてきた植物やケアの知恵を取り入れながら、体調とライフスタイルに合わせたオーダーメイドのケアをご提案します。

冷えやむくみ、イライラ、不眠、疲労感、気持ちの揺らぎ、生理痛、PMS、更年期障害、風邪をひきやすい、予防のためのケアを知りたいなど、ご相談ください。

場所:パリ市内、エッフェル塔近くのアトリエ
メトロ6番線 Bir-Hakeim駅から徒歩7分  メトロ6番線、8番線、10番線、La Motte-Piquet Grenelle駅から徒歩11分
日時:水・木・金 15h-18h
*その他の時間帯・週末、またオンラインをご希望の場合はご相談ください。
料金:1回 60分 80ユーロ
*体調やライフスタイルに合わせたパーソナライズハーブティー をお持ち帰りいただけます。ハーブティーが苦手な方は、アロマロールオンのパーソナライズも可能です。事前にお知らせください。

ご予約、お問い合わせは私のインスタグラムのDMよりお願いいたします。

⌘ フィトテラピスト(植物療法士) Maki

フランスで植物療法「フィトテラピー」と出会い、日常に取り入れて10数年。学びを深め、AMPP認定フィトテラピストに。東京でファッションPRを経験後に渡仏。フランス企業で10年以上、欧米などの国際プレスを担当。現在はフリーランスにて、フィトテラピー、執筆、PRなど多方面で活動中。

Instagram

– Makiさんからのメッセージ –

パリに住み始めた10数年前から興味を持っていた植物療法 「フィトテラピー」は、今では毎日を快適に過ごすために優しく寄り添ってくれるものとなりました。フランスの薬はなんだか強そう、という勝手な先入観から植物由来の優しそうなサプリやハーブティーで自分をケアしたいと思ったのが始まりでした。本格的にスクールで受講したり、15年来のお付き合いになる医師からのアドバイス、エルボリストリ(ハーブ薬局)での処方など、自分でも実践していて、なおかつ効果が広く認められているものを皆さんとシェアできればと思います。

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