〈フランス的植物療法のススメ〉12月のフィトテラピー

植物の薬理作用を利用して、心と体を整える植物療法 「フィトテラピー」は、フランスではおばあちゃんの知恵と同じように古くから受け継がれる自然療法の一つです。ここでは、パリ在住のフィトテラピストmakiさんが、よく使われるハーブや精油を季節に応じた症状別にピックアップ。日本でも取り入れやすいフィトテラピーを通して、毎日がより快適で楽しくなるアイデアをパリからシェアします。




ここでご紹介するフィトテラピーは、病気を治すためのものではありません。自然治癒力を高め、ちょっとした心身の不調を整えたり、予防法の一つとしておすすめするものです。

自分の身体の声を聞いて、皆さんの毎日を快適にするヒントとなれば嬉しいです。

12月のフィトテラピー
Décembre

心も体も温めて冬を楽しみましょう

師走、寒さも本格的になってきました。年末年始は仕事にプライベートに忙しく、ついつい自分の身体を労ることが後回しになっていませんか?今回は、冷え対策に役立つハーブと精油を3種類ご紹介します。ぜひ最後までお読みください。

〔 ジンジャーのハーブティー 〕

(学名 Zingiber officinale)
ジンジャーは、身体を温める代表的なハーブ。血行を促進し、冷えによる手足の冷たさや胃腸の不調を和らげてくれます。代謝を高める作用もあります。乾燥ジンジャーに熱湯200mlを注ぎ、5〜10分蒸らしてください。レモンや蜂蜜を加えると飲みやすくなります。

* 過剰な摂取は避け、胃腸の弱い方は少量から試してください。妊娠中は摂取量を控えてください。胆石の方は医師に相談してください。

ジンジャーティーは、様々なブレンドのティーバッグ商品があり、手軽に楽しめます。

〔 シナモンのハーブティー 〕

(学名 Cinnamomum zeylanicum)
甘くスパイシーな香りが特徴のシナモンは、血行を促し身体を温めてくれるだけでなく、気持ちを前向きにしてくれる作用もあり、冬のティータイムにぴったりです。シナモンスティック1/2本を軽く砕いて、熱湯200mlで5〜10分抽出してください。カルダモンとのブレンドもおすすめです。またミルクティーにシナモンパウダーを加えるのも手軽でおすすめです。

*妊娠中・授乳中の使用は控えめに。刺激を感じる場合は量を調整してください。消化器に潰瘍のある方は使用を避けてください。

シナモンとカルダモンを合わせるとなんともいえない香りが立ちます。

ルイボスティーにシナモン、カルダモンを加えて、オレンジの輪切りを添えて。

〔 マジョラムの精油 〕

(学名 Origanum majorana)
マジョラムは、血行を促進しながら心身の緊張をやさしくゆるめてくれる精油です。また自律神経系のバランスを整える作用もあります。キャリアオイル10mlにマジョラム精油1滴を加え、お腹・腰・足首をやさしくマッサーをしたり、夜のリラックスタイムに芳香浴として取り入れたりするのもおすすめです。

* 妊娠中の使用は避けてください。眠気を促す可能性もあるので注意してください。低血圧の方は医師に相談してください。
* 精油は必ずキャリアオイルで希釈し、初めて使用する際はパッチテストを行いましょう。

その他のアイデア

ジンジャーとシナモンをブレンドして、オレンジの輪切りや皮を少し削ったものを加えると柑橘の香りがリラックス効果になり、心がホッとほどけておすすめです。スパイシーさが苦手な方は、ルイボスティーに少し加えて試してみてください。また、日本の葛湯や柚子も身体を芯から温めてくれます。パリのエルボリステリーでもKUZUの粉やYUZUの精油が売っているくらいです。ぜひ、身近に手に入るものから日常に取り入れてみてください。ちょっとした習慣が、気づいたら「この冬は風邪ひいてない」ということにつながるかもしれません。

最後に

今年の1月からお届けしてきた、この季節の症状に寄り添うフィトテラピーコラムは、今月で一区切りとなります。一年間お読みくださり、ありがとうございました。ワークショップやセミナーで、「コラムを読んでいます」、「実践しています」とお声をかけていただくこともあり、とても嬉しく励みになっています。またこのような機会をくださったトリコロル・パリのお二人に、とても感謝しております。来年はまた違う切り口のコラムをお届けすることになりました。どうぞ楽しみにしていてくださいね。皆さま、よい年末年始をお過ごしください。また来年、ここでお会いしましょう。

先日、サンマルタン運河の橋にジェーン・バーキンの名前がつけられました。式典ではシャルロット・ゲンズブールとルー・ドワイヨンがこのプレートを設置して、スピーチを行い、ジェーンファンの私は涙腺が緩みました。Jane Birkin Forever !

お 知 ら せ

オーダーメイドフィトテラピー

©︎sebastiencavaille

パリ市内にて女性のためのフィトテラピー(植物療法)のオーダーメイドケアを行なっております。
フランス式フィトテラピーをベースに、日本でも親しまれてきた植物やケアの知恵を取り入れながら、体調とライフスタイルに合わせたオーダーメイドのケアをご提案します。

冷えやむくみ、イライラ、不眠、疲労感、気持ちの揺らぎ、生理痛、PMS、更年期障害、風邪をひきやすい、予防のためのケアを知りたいなど、ご相談ください。

場所:パリ市内、エッフェル塔近くのアトリエ
メトロ6番線 Bir-Hakeim駅から徒歩7分  メトロ6番線、8番線、10番線、La Motte-Piquet Grenelle駅から徒歩11分
日時:水・木・金 15h-18h
*その他の時間帯・週末、またオンラインをご希望の場合はご相談ください。
料金:1回 60分 80ユーロ
*体調やライフスタイルに合わせたパーソナライズハーブティー をお持ち帰りいただけます。ハーブティーが苦手な方は、アロマロールオンのパーソナライズも可能です。事前にお知らせください。

ご予約、お問い合わせは私のインスタグラムのDMよりお願いいたします。

⌘ フィトテラピスト(植物療法士) Maki

フランスで植物療法「フィトテラピー」と出会い、日常に取り入れて10数年。学びを深め、AMPP認定フィトテラピストに。東京でファッションPRを経験後に渡仏。フランス企業で10年以上、欧米などの国際プレスを担当。現在はフリーランスにて、フィトテラピー、執筆、PRなど多方面で活動中。

Instagram

– Makiさんからのメッセージ –

パリに住み始めた10数年前から興味を持っていた植物療法 「フィトテラピー」は、今では毎日を快適に過ごすために優しく寄り添ってくれるものとなりました。フランスの薬はなんだか強そう、という勝手な先入観から植物由来の優しそうなサプリやハーブティーで自分をケアしたいと思ったのが始まりでした。本格的にスクールで受講したり、15年来のお付き合いになる医師からのアドバイス、エルボリストリ(ハーブ薬局)での処方など、自分でも実践していて、なおかつ効果が広く認められているものを皆さんとシェアできればと思います。

⌘ 「フランス的植物療法のススメ」バックナンバー

No Comments Yet

Comments are closed