〈フランス的植物療法のススメ〉2月のフィトテラピー

植物の薬理作用を利用して、心と体を整える植物療法 「フィトテラピー」は、フランスではおばあちゃんの知恵と同じように古くから受け継がれる自然療法の一つです。ここでは、パリ在住のフィトテラピストmakiさんが、よく使われるハーブや精油を季節に応じた症状別にピックアップ。日本でも取り入れやすいフィトテラピーを通して、毎日がより快適で楽しくなるアイデアをパリからシェアします。




冬の寒さに耐えながら、木々は少しずつ芽を膨らませています。春はもうすぐ!

ここでご紹介するフィトテラピーは、病気を治すためのものではありません。自然治癒力を高め、ちょっとした心身の不調を整えたり、予防法の一つとしておすすめするものです。

自分の身体の声を聞いて、皆さんの毎日を快適にするヒントとなれば嬉しいです。

2月のフィトテラピー
Février

花粉症対策におすすめのブレンドハーブティー

パリはピリッと冷たい空気に、まだまだ手袋や帽子が必須ですが、陽は少しずつ長くなり、確実に春が近づいています。
春は気温が上がり、咲く花々に、新しい環境に、心浮き立つ季節ですが、ちょっと憂鬱な方もいるのでは? 春は、花粉症の季節でもありますね。季節が移ろう今、すでに鼻のムズムズが始まったかも?!という方もいらっしゃるかもしれません。
花粉症は、異物である花粉を体から排除しようとする免疫反応による炎症です。予防や、症状を和らげるために、免疫力を上げたり、解毒を促したりする作用のあるハーブを活用しましょう。

今回は、花粉症対策のための3つのハーブを紹介します。

〔 エキナセア 〕

免役力アップでよく知られるハーブで、フランスではエルボリストリだけでなく、薬局やスーパーでもエキナセアのサプリやお茶を売っているほど身近なハーブです。
*キク科アレルギーの方はご注意ください。自己免疫疾患の方は使用不可。

エキナセアはタンチュメール(植物の成分を抽出した液体)やカプセルなど様々な形の商品があるので、ハーブティーとしてだけでなく、自分のライフスタイルに合った形で取り入れるのも良いでしょう。日本でもハーブ専門店や大手のオンラインショップで見つけることができます。

〔 ネトル 〕

アレルギーの予防によく使われる植物で、利尿作用があります。ミネラルやビタミンも豊富に含まれていて育毛にも良いです。髪への効果はまた別の回でご紹介したいと思います。
*長期的に使用する場合は、ネトルそのものへのアレルギーに注意してください。

〔 ジャーマンカモミール 〕

1月のコラムでストレスによる消化器官不調の緩和におすすめしましたが、消炎、鎮静の作用は花粉症の症状を和らげる効果もあります。

エキナセアは免疫力アップ、ネトルは解毒、ジャーマンカモミールは鎮静と、この3つの作用を期待して、それぞれ同量ずつでブレンドしてみましょう。ハーブティーを淹れる時は、カップ1杯に大匙1強を、おそよ95度から100度のお湯で5分から10分ほど、必ず蓋をして蒸らします。(厳密にはハーブの種類によって変わりますが、また別の回でより詳しくお伝えしますね。)葉っぱから入れるのが面倒な場合は、3種類のティーバックを一つのポットで淹れるのもありだと思います。

3種類をそれぞれ同量ずつ保存瓶に入れてあらかじめ混ぜておくと、淹れたい時にすぐ用意できます。

⌘ フィトテラピスト(植物療法士) Maki

フランスで植物療法「フィトテラピー」を知り、日常に取り入れ始めて10数年。2020年からルボア・フィトテラピースクールにて森田敦子に師事。東京でファッションPRを経験した後に渡仏。10年以上にわたるフランス企業での海外メディアPRを経て、現在はフリーランスとして活動中。

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– Makiさんからのメッセージ –

パリに住み始めた10数年前から興味を持っていた植物療法 「フィトテラピー」は、今では毎日を快適に過ごすために優しく寄り添ってくれるものとなりました。フランスの薬はなんだか強そう、という勝手な先入観から植物由来の優しそうなサプリやハーブティーで自分をケアしたいと思ったのが始まりでした。本格的にスクールで受講したり、15年来のお付き合いになる医師からのアドバイス、エルボリストリ(ハーブ薬局)での処方など、自分でも実践していて、なおかつ効果が広く認められているものを皆さんとシェアできればと思います。

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