〈フランス的植物療法のススメ〉1月のフィトテラピー

植物の薬理作用を利用して、心と体を整える植物療法 「フィトテラピー」は、フランスではおばあちゃんの知恵と同じように古くから受け継がれる自然療法の一つです。ここでは、よく使われるハーブや精油を季節に応じた症状別にピックアップ。日本でも取り入れやすいフィトテラピーを通して、毎日がより快適で楽しくなるアイデアをパリからシェアします。




初めまして!今月からここトリコロル・パリさんで、コラムを書かせていただくことになりましたパリ在住のフィトテラピスト、makiと申します。

パリに住み始めた10数年前から興味を持っていた植物療法 「フィトテラピー」は、今では毎日を快適に過ごすために優しく寄り添ってくれるものとなりました。フランスの薬はなんだか強そう、という勝手な先入観から植物由来の優しそうなサプリやハーブティーで自分をケアしたいと思ったのが始まりでした。本格的にスクールで受講したり、15年来のお付き合いになる医師からのアドバイス、エルボリストリ(ハーブ薬局)での処方など、自分でも実践していて、なおかつ効果が広く認められているものを皆さんとシェアできればと思います。

パリ6区にあるエルボリストリ。症状に合わせたブレンドハーブティーもたくさん揃っています。
Herboristerie d’Hippocrate
42 rue Saint André des Arts 75006

ここでご紹介するフィトテラピーは、病気を治すためのものではありません。自然治癒力を高め、ちょっとした心身の不調を整えたり、予防法の一つとしておすすめするものです。

自分の身体の声を聞いて、皆さんの毎日を快適にするヒントとなれば嬉しいです。

1月のフィトテラピー
Janvier

さて、1月。フランスでは、クリスマス、年末年始のパーティーにガレット・デ・ロワと食べて飲んで食べてという日々が続きます(笑)。日本も年末年始は、忘年会、お正月、新年会と食べて飲んでが続く季節ですね。そこで今月は、胃腸を労るおすすめのハーブを症状別にピックアップしました。

〔 食べ過ぎ、飲み過ぎ、消化不良 〕
ペパーミントのハーブティー

レモングラスと1:1でブレンドすると効果アップです。
*妊娠中、授乳中、また、5歳以下の子供、癲癇患者は使用不可です。

ハーブティーを淹れる時は、カップ一杯に対して大さじ1を約10分蒸らすのが目安です。写真はミントティーを淹れているところです。

〔 胃もたれ、胸焼け 〕
ジャーマンカモミールのハーブティー

カモミールなら優しい香りと味で、一種類でも飲みやすいと思います。ストレス性の消化器官の不調にも効果ありです。
*キク科アレルギーの方はご注意ください。

植物の恵みを安全に最大限に頂くためにも、ハーブはなるべく有機、オーガニックのものがおすすめです。写真はオーガニックのカモミールのティー。ABマークや有機JASを確認しましょう。

〔 消化促進 〕
ローズマリーのハーブティー

お肉料理に使われることも多いローズマリーは、ペパーミントと1:1でブレンドするとスッキリした味わいで飲みやすくなります。
*腎結石の方は使用できません。妊娠中、授乳中は使用を控えてください。

お肉料理に使ったり、お茶にしたり、蜂蜜につけてもいいローズマリーは定番ハーブの一つ。

家族や親しい人たちとのひとときをより楽しく、美味しいものをより美味しくいただくためにも、胃腸を整えましょう。

先日訪れたスペインで滞在したホテルには、イングリッシュブレックファーストティーとともにミントティーとカモミールティーがお部屋に用意されていて、パエリヤなど地元の美味しい食を満喫した後にとても助かりました!

⌘ フィトテラピスト(植物療法士) Maki

フランスで植物療法「フィトテラピー」を知り、日常に取り入れ始めて10数年。2020年からルボア・フィトテラピースクールにて森田敦子に師事。東京でファッションPRを経験した後に渡仏。10年以上にわたるフランス企業での海外メディアPRを経て、現在はフリーランスとして活動中。

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