パリ7区の閑静な住宅街、ヴェルヌイユ通り(rue de Verneuil)の5bis番地に、セルジュ・ゲンズブールが1969年から亡くなる1991年まで暮らした自宅があります。亡くなってからも手つかずのままになっていたこの家の一般公開が、ついに2023年9月20日から始まりました!
これと同時に、ヴェルヌイユ通り14番地には「Maison Gainsbourg(メゾン・ゲンズブール)」がオープン。セルジュ・ゲンズブールの生涯や作品を450点もの展示品とともに紹介する博物館で、バー、書店兼ショップも併設されています。
予約・見学方法
- セルジュの家・博物館ともに、完全オンライン予約制
- 公式サイトから予約
- 家も見学したい場合はHouse & Museum(家&博物館)を予約
(ただし10月16日現在2023年末まで完売・2024年以降の予約は11月開始予定) - 博物館のみの場合は Museum ticketを選択。2023年内もまだ予約可能です。
- 家&博物館を予約した場合も、まずは14番地の博物館受付へ。そこでヘッドホン(英語またはフランス語)を受け取り、手にセルジュの横顔スタンプを押してもらったら、家のある5bis番地へ。1〜2人の少人数ずつ、少し時間をずらして入館するので、家の前で多少待つことがあります。家の見学後は、14番地の博物館へ。手のスタンプを見せれば入れます。
- 家の内部は写真・ビデオ撮影禁止。博物館はOK。
5bis rue Verneuil
ヴェルヌイユ通り5bis番地・セルジュの家
ついに、セルジュ・ゲンズブールが暮らし、シャルロット・ゲンズブールが育った、伝説の家の中に入るときが来ました…。中は写真撮影禁止なので、目にしっかりと焼きつけてきました。
14番地の受付でもらったヘッドホンをつけ、最初のドアを開けると、さっそくあの伝説のリビングが目の前に広がります。真っ黒に塗られた壁、さまざまな芸術作品やオブジェ、セルジュがいつも座っていた跡がそのまま残っているソファ、愛用のピアノ…ヘッドホンからは、シャルロットが、さまざまな思い出話やエピソードを語る優しい声が聴こえてきます。
リビングの奥にはキッチン。キッチンの奥には、かつてシャルロットや姉ケイトの子供部屋がありました。この部屋から、セルジュとジェーンがぼそぼそと話す声を聞きながら安心して眠りについたというシャルロットの思い出にキュンとします。
細い階段から2階に上がると、まず小さなクローゼットがあり、セルジュが愛用していたジャケットやネクタイ、ジーンズ、レペットの白いシューズが、つい昨日まで使われていたかのようにしまわれています。
その次は、ジェーン・バーキンの部屋。彼女がここを出てからは、人形の部屋となり、幼いシャルロットの遊び場になったそう。
その次はお風呂、そして洗面所。そこに置いてあるものすべてが、セルジュが亡くなったその日から手つかずのまま残っていると思うと、切なさが増します。
そして一番奥に、寝室があります。ここで、最後のパートナーであるバンブーが、セルジュの遺体を発見することになります。
この家の面積は130㎡。いわゆる豪邸と呼ぶような大きな家ではなく、想像した以上にこぢんまりとしていました。そのせいかなおさら、セルジュ・ゲンズブールの息づかいまでが感じられるようで、とにかく感動的…。シャルロットが、父が恋しくなったときはいつも1人でこの家に来ていた、と語る意味が、よくわかります。
14 rue Verneuil
ヴェルヌイユ通り14番地・博物館
セルジュの生涯や作品をたどる博物館。細い廊下のようなスペースで、左側のショーケースには合わせて450点ものさまざまな展示品(手稿、楽譜、置物、洋服…)が、年代ごとに展示されています。その大部分が、セルジュ・ゲンズブール自身が所有していた貴重なものばかりです。廊下の右側には画面が並び、映像と共にセルジュ自身が自らの人生を語る音声に耳を傾けます。
展示は次の8つの時期に分かれています。
- 1928−1954
Ginsburg avant Gainsbourg
絵画から音楽へ - 1954-1957
Nul ne le saura jamais
「Arthur Circus」から「リラの門の切符切り」まで - 1958-1964
Du Jazz dans les Ravin
「La Recette de l’Amour Fou」から「コーヒーカラー」まで - 1965-1968
Sous le Soleil Exactement
「夢見るシャンソン人形」から「イニシャルB.B.」まで - 1968-1971
Jane B
「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 」から「メロディ」まで - 1972-1978
Flash Forward
「デカダンス」から「海、セックスそして太陽」まで - 1978-1983
Ecce Homo
「祖国の子供たちへ」から「バビロンの妖精」まで - 1984-1991
No Comment
「Sorry Angel」から「おれの外人部隊」まで
階段を下りた地階は企画展のスペース。オープニング企画は「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」でした。1969年、セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンのデュエットで発売されたシングル曲。その過激さゆえ、いくつかの国では放送禁止にもなりつつ、最終的にヨーロッパ全土でヒットした曲です。
再び階段を上ると、地上階のカフェバー「Gainsbarre(ゲンズバー)」があります。キャバレーでピアニストとして働いていたセルジュの 若い頃からインスパイアされたピアノバー。自動演奏のピアノがセルジュの曲を奏でるなか、カフェやカクテルで休憩を。
バーを抜ければ、トートバッグやポストカードなどお土産にぴったりなグッズがそろう、書店兼ショップがあります。
INFORMATION
メゾン・ゲンズブール - Maison Gainsbourg
住所 →パリの地区マップ14 rue de Verneuil 75007 (地区:サンジェルマン・デ・プレ )
TEL
最寄り駅 →メトロ路線図
Saint Germain des Prés 4番線
開館日
火、木、土、日 10:00-20:00、水、金 10:00-22:30、カフェバーは火、水10:00-24:00、木-土10:00-26:00、日10:00-20:00
休館日
月
料金
オンライン予約必須:家&博物館25€(7-25歳16€、6歳以下無料)、博物館のみ12€(7-25歳6€、6歳以下無料)
パリ・ミュージアム・パス
不可
→https://www.maisongainsbourg.fr