
植物の薬理作用を利用して、心と体を整える植物療法 「フィトテラピー」は、フランスではおばあちゃんの知恵と同じように古くから受け継がれる自然療法の一つです。ここでは、パリ在住のフィトテラピストmakiさんが、よく使われるハーブや精油を季節に応じた症状別にピックアップ。日本でも取り入れやすいフィトテラピーを通して、毎日がより快適で楽しくなるアイデアをパリからシェアします。
ここでご紹介するフィトテラピーは、病気を治すためのものではありません。自然治癒力を高め、ちょっとした心身の不調を整えたり、予防法の一つとしておすすめするものです。
自分の身体の声を聞いて、皆さんの毎日を快適にするヒントとなれば嬉しいです。
7月のフィトテラピー
Juillet
夏の肌をやさしく守る、植物のスキンケア
いよいよ夏本番!強い日差しに汗、冷房による乾燥など、肌にとって夏は過酷な季節とも言えます。そんな時期こそ、植物の力でやさしくケアしてあげましょう。
今月は、スキンケアに役立つ精油・オイル3種をご紹介します。紫外線による乾燥、皮脂の乱れ、赤みやほてりなど、さまざまな夏の肌のトラブルをやさしくケアしてくれる植物の力を、ぜひ日々のお手入れに取り入れてみてください。
〔 ラベンダーの精油 〕
(学名 Lavandula angustifolia)
ラベンダーはスキンケアに万能で、抗炎症・鎮静・皮膚再生といった作用に優れています。日焼け後の肌の赤みやほてり、かゆみなどをやさしく落ち着かせてくれるため、夏のスキンケアには欠かせない存在です。香りにもリラックス効果があり、ストレスによる肌荒れにも役立ちます。
ホホバオイルなどのキャリアオイル(ベースオイルとも言われます)5mlに1〜2滴加え、洗顔後の保湿オイルとしてやさしく肌になじませます。日焼け後のケアには、ラベンダーの芳香蒸留水をコットンに浸してパックするもおすすめです。
*低血圧の方は、使用後に眠気やだるさを感じることがあるため注意が必要です。
妊娠中の使用は避けてください。授乳中の使用は、医師に相談をしてください。
精油を使う際にはパッチテストをしてから使用をしてください。

左から カレンデュラオイル、ゼラニウムの精油、ラベンダーの精油
〔 ゼラニウムの精油 〕
(学名 Pelargonium graveolens)
華やかで甘さのある香りのゼラニウムは、皮脂バランスを整え、炎症やむくみを抑える働きがあります。乾燥とベタつきが混在しやすい夏の肌に、ちょうど良い調整力を発揮してくれる精油です。女性ホルモンのバランスにも寄り添うため、肌のゆらぎが気になる時期にも役立ちます。
洗顔後、軽くローションを塗布した後に、ゼラニウムの精油をキャリアオイル5mlに1滴加え、夜のフェイスマッサージがおすすめです。
*妊娠中は使用を避けてください。精油を使う際にはパッチテストをしてから使用をしてください。

パリも夏の日差しがとても強く、散歩には帽子やサングラスが欠かせません。
〔 カレンデュラ(マリーゴールド)のオイル 〕
(学名 Calendula officinalis)
カレンデュラは古くから“皮膚の修復ハーブ”として親しまれてきました。炎症を抑え、皮膚の再生を促進する働きがあり、敏感肌や乾燥肌、日焼け後のスキンケアにぴったりです。
カレンデュラオイルをそのまま保湿オイルとして使用したり、手作りのクリームやバームに加えたりするのもおすすめ。顔にもボディにも使えます。
*キク科アレルギーのある方は注意が必要です。肌に合わない場合はすぐに使用を中止してください。
精油を選ぶ際には、天然でピュアなものであるかどうか、学名や原産地が明記されているか、できれば成分組成表が添付されているかを確認しましょう。
香りを楽しむときは、瓶を鼻から少し離し、左右に揺らしながら香ってみましょう。初めての方でも自然に香りを感じ取ることができます。必ずキャリアオイル(ベースオイルとも言われます)に混ぜてから使用しましょう。キャリアオイル5mlに精油1滴が目安です。

カレンデュラオイルは鮮やかなオレンジ色をしています。この写真ではわかりづらいですが(汗)
お知らせ
東京:
パリのフィトテラピーを体験 – ハーブと香りのワークショップ
フランスで実際に使われているハーブや精油を使って、
日常に植物の力を取り入れるヒントを見つけてみませんか?
場所:Le Bois éclat (ルボア エクラ)
目黒区上目黒1-11-7
日時: 8月8日(金)11:00~ & 8月9日(土)15:00~
各回約60~75分
参加費:7,000円(税込)
当日現金にてお支払いください。
予約制/定員あり
インスタグラムDMにてお名前(フルネーム)と参加希望日をお知らせください。
パリ:
フィトテラピープライベートカウンセリング
フランス式フィトテラピーをベースに、日本でも親しまれてきた植物やケアの知恵を取り入れながら、心と体の状態に合わせたオーダーメイドのケアをご提案します。
場所:Holivita
パリ10区、サンマルタン運河からすぐのアトリエです。
レピュブリック駅(メトロ3,5,8,9,11号線)から徒歩約10分
日時: 7月25日(金)14h30/16h/17h30 (時間ご相談ください)
8月1日(金)14h30/16h/17h30 (時間ご相談ください)
各回約60分
料金:80ユーロ(税込)カード可
ウェルカムドリンク、お一人おひとりに合わせてブレンドしたハーブティー(1袋)込み
インスタグラムDMにてお名前(フルネーム)とご希望の日時をお知らせください。完全予約制です。
⌘ フィトテラピスト(植物療法士) Maki
フランスで植物療法「フィトテラピー」を知り、日常に取り入れ始めて10数年。2020年からルボア・フィトテラピースクールにて森田敦子に師事。東京でファッションPRを経験した後に渡仏。10年以上にわたるフランス企業での海外メディアPRを経て、現在はフリーランスとして活動中。
|Instagram|
– Makiさんからのメッセージ –
パリに住み始めた10数年前から興味を持っていた植物療法 「フィトテラピー」は、今では毎日を快適に過ごすために優しく寄り添ってくれるものとなりました。フランスの薬はなんだか強そう、という勝手な先入観から植物由来の優しそうなサプリやハーブティーで自分をケアしたいと思ったのが始まりでした。本格的にスクールで受講したり、15年来のお付き合いになる医師からのアドバイス、エルボリストリ(ハーブ薬局)での処方など、自分でも実践していて、なおかつ効果が広く認められているものを皆さんとシェアできればと思います。