今日9月26日、ジャック・シラク元大統領が亡くなりました。86歳でした。フランス共和国大統領を1995年から2007年の12年間、そしてパリ市長も18年間つとめ、さまざまな大臣職も歴任した、まさにフランスの戦後政治にその名を残す保守派の政治家でした。その経歴は山あり谷ありで、もちろん支持率の上下はありましたが、何かと親しみを感じさせる言動が多く、「国民に近い大統領」という印象もありました。
いっぽう芸術や文化にも造詣が深く、アフリカ、アジア、オセアニア、南北アメリカの固有の文明・文化・芸術を扱う「ケ・ブランリー美術館」の開館はまさにシラク元大統領の肝いりで実現しました。
なかでも日本文化や芸術を愛した真の親日家としてもよく知られています。大相撲の大ファンで、シラク大統領の時代には大相撲のパリ公演も実現しました。
個人的には、ちょうどフランス語を学び、フランスを初めて訪れ、フランスという国を知り始めたころの大統領なので、よけいに心に残る人物です。日本のことをよく理解し、愛している人がフランス大統領であることは、当時の在仏日本人にとってはどこか安心感のようなものもあったような気がします。
心よりご冥福をお祈りしたいと思います。