フィリップ・カトリーヌ、パリ五輪開会式のパフォーマンスについて語る

Photo : Konbini Dailymotion

パリ2024オリンピック開会式で、「青いおじさん」として、良い意味でも悪い意味でもすっかり世界的に有名になったフィリップ・カトリーヌ。全身青塗りのディオニューソスに扮して彼が披露した新曲「Nu(裸)」や今までの彼の楽曲とキャリアについては、すでにこちらの記事で紹介しています。(関連記事→開会式でフィリップ・カトリーヌが披露した新曲「Nu(ニュ 裸)」のフランス語歌詞&日本語訳

そんな彼が、開会式後の7月29日、フランスのオンラインメディアKonbiniにて語ったインタビュー動画がこちら。ページの下には日本語訳を書いていますので、フィリップ・カトリーヌがどんな風にあのセレモニーへの出演を決めたのか、演出家とはどのような話をしていたのかなど、興味のある方はぜひご覧ください。

Konbini
フィリップ・カトリーヌのインタビュー


フィリップ・カトリーヌ
パリ五輪開会式についてのKonbiniインタビュー日本語訳


*インタビューは20秒から始まります。

「Nu(裸)」にまつわるパフォーマンスについて。この歌は、「素っ裸のとき、どこにリボルバーを隠せる?」といった内容の、平和や宥和についての歌です。この曲に対するトマ・ジョリー(開会式の演出監督)のビジョンは、ディオニューソスや多神教(または異教)の祝祭のデカダンス(退廃的なこと)でした。

青とラメで塗られた姿は、個人的にすごく美しいなと思ったので、すぐにOKしました。アバターやスマーフ(シュトルンフ)、バーバパパのような、とても子供っぽいキャラクターを思わせます。

開会式の映像を見直して、私にはとても無邪気なシーンに映りました。「最後の晩餐」と関連づける人もいますが、私とトマ・ジョリーの間ではそれが引用元であることは一切ありませんでした。ショックを与えようという考えはなかったので、宗教を主題にしようなんてことは決してありませんでした。ほんと単純に、そういうことを表現したものではないんです。

映像を見直しながら、「勘違いとか、誤解みたいなものはあったな」と思いました。私が裸になったことで、誰かにショックを与えたり怒らせたりするつもりはありませんでした。私はそういうタイプの人間じゃ全くないので。

子供の頃は聖歌隊に入っていたので、キリスト教の教義や道義についてたくさん学びました。バンジャマン神父がよく言っていた言葉があります。「フィリップ、自分の周りにある何でもかんでもが悪だと思うな。それは傲慢(七つの大罪の1番目の罪)というものだ。」この「悪だと思う傲慢さの罪」についての神父の言葉を思い返しました。

私はSNSを見ないので、(SNSをやっている人よりは)心穏やかな日々を過ごしていると思います。ただ、Haters(ヘイター)というのは、「haine(憎しみ)」という言葉から来ている言葉ですよね?憎しみも傲慢の罪だと思います。

自分を嫌う人や敵がいることが分かった途端、眠れなくなるような人間なんです、私は。本当それだけは嫌なんです。睡眠はとっても大切で特別なものですから!

報酬は200ユーロ(約3万2千円)でした。他の方々がいくらもらったかは知りませんが、平等であってほしいですね。平等・友愛の精神でしょ(笑)?ま、同時に、どうでもいいことなので全く気にしていません。お金を稼ごうという目的ではそもそもなかったですし。出演にOKしたのは、すごくエキサイティングなことをしたい、ただ単純に、心から平和のメッセージを伝えたいと思ったからです。


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