ダフト・パンクが解散を発表

2021年2月22日、フランスのエレクトロデュオ、ダフト・パンクが解散するという衝撃的なニュースが飛び込んできました。彼らの公式サイトには、「Epilogue」と題した動画のみが映し出され、解散の理由や今後の予定についてなどは一切明らかにされていません。Youtubeでも公開されている同動画はこちら。動画には、2006年に彼らが脚本・監督を手がけた映画「ダフト・パンク エレクトロマ」のワンシーンが引用されており、最後に活動期間を示していると思われる「1993-2021」という文字が映し出されます。




パリ17区の中学校の同級生だったトーマ・バンガルテルとギ=マニュエル・ドゥ・オメン=クリストが1993年に結成したダフト・パンク。二人ともフルフェイスのマスクを被り、一度たりとも素顔を公にしたことがないというユニークないでたちも話題を呼びました。28年の間に発表したオリジナルアルバムは4枚という寡作なアーティストではありましたが、デビュー当時からフランス国内以上に、海外で高い評価を受け続ける稀有な存在でした。2013年にリリースされ、世界的な大ヒットを記録した「ランダム・アクセス・メモリーズ(Random Access Memories)」の続編を心待ちにしていたファンも多かっただけに、突然の解散にショックを隠せません。

1995年のシングル「ダ・ファンク (Da Funk)」を皮切りに、「アラウンド・ザ・ワールド(Around the world)」のヒット、2001年に発表した2作目「ディスカバリー(Discovery)」がさらなる大ヒットとなり、シングル「ワン・モア・タイム(One more time)」で世界的に知られるユニットとなりました。2005年の「原点回帰(Human After)」ではあまり芳しい評価は得られなかったものの、2013年のランダム・アクセス・メモリーズ(Random Access Memories)」では世界各国のチャート1位を獲得し、第56回グラミー賞の5部門を受賞するという快挙を成し遂げました。ファレル・ウィリアムスをフィーチャーした「ゲット・ラッキー(Get Lucky)」は8年経った今もよく耳にし、もはやスタンダード化したと言っても良い1曲でしょう。

スパイク・ジョーンズやミシェル・ゴンドリーといった映像作家が手がけたミュージックビデオも、新曲が発表されるたびに話題になりました。2003年のカンヌ映画祭で上映された『インターステラ5555』は、アルバム「ディスカバリー」の全曲に合わせて、あの松本零士がアニメーションを描いたという異色作で、この作品をきっかけにダフト・パンクを知ったという日本のファンも多いかもしれません。どの曲も思い出深いですが、こう思い返しても、28年もの歳月が経ったとはとても信じがたく・・・素晴らしい音楽性はもちろんのこと、好きなものを「無邪気に懐かしがる」彼らの姿勢にも惹かれていました。彼らが今まで生んでくれた曲たちは、ダフト・パンクのヘルメット姿のように、ずっと歳を取らず、色褪せないことでしょう。

個人的に忘れられないのが2001年のGAPのCM。ジュリエット・ルイスと踊るダフト・パンクが好きでした。

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