【訃報】映画監督ジャン=ジャック・ベネックスが75歳で死去。

Photo : OLIVIER LABAN-MATTEI / AFP

日本でも高い人気を誇るフランス人映画監督、ジャン=ジャック・ベネックス(Jean-Jacques Beineix)が2022年1月13日、パリの自宅で亡くなりました。75歳でした。家族の発表によると、長い間闘病生活を送っていたそうです。

べネックスが35歳の時に監督した初長編映画『ディーバ(Diva)』(1981年)がフランスのセザール賞で新人監督作品賞をはじめとする4部門に受賞し、アメリカでの高い評価を経て、1983年に日本でも公開され、スマッシュヒットを記録しました。2作目の『溝の中の月(La lune dans le caniveau)』(1983年)に続き、3作目として監督した『ベティ・ブルー/愛と激情の日々(37°2 le matin)』(1986年)がフランスを始め世界各国で大ヒットとなり、今も熱狂的なファンを持つカルト映画として語り継がれています。ジャン=ジャック・ベネックスは、80年代の日本において、間違いなく最も有名なフランス人監督のひとりでした。




その後、『ロザリンとライオン(Roselyne et les Lions)』(1989年)、「IP5/愛を探す旅人たち(IP5 : L’île aux pachydermes)」(1992年)、『青い夢の女(Mortel transfert)』(2001)を発表しますが、それ以降は長編のフィクション映画は作られていません。フランスでの活動も2002年のドキュメンタリー映画以降ブランクがあり、2012年に発表した『Les Gaulois au-delà du mythe』というドキュメンタリー作品が最後のものとなりました。80年代のヒット作の印象が強く、ここまで長い間、作品を発表していないことを知り改めて驚きました。

トリコロル・パリ読者の中にも、きっとベネックス監督のファンがたくさんいらっしゃことと思います。あの、80〜90年代にかけて、ミニシアター系映画館のブームとともに訪れたヌーヴェル・ヴァーグ以来のフランス映画ブームが懐かしいですね。改めて、見直したい作品がたくさんあります。べネックス監督、素晴らしい映画をありがとうございました。


ディーバ(DIVA) 予告編

メトロのシーンにゾクゾクしました。そして、パリの街をローラースケートで走ってみたいと妄想しました・・・


ベティー・ブルー/愛と激情の日々(37°2 le matin)

タンクトップにオーバーオール、憧れましたね。


No Comments Yet

Comments are closed