新聞や雑誌を売るキオスクは、その古き良きパリの面影を感じさせるデザインで、すっかりパリの街並みの一部になっています。その一方で、非効率的な造りのせいで開け閉めに時間がかかったり、防寒対策がきちんとなされていなかったりと、キオスクの中で働く人の労働条件はあまり良くありませんでした。
© François Grunberg / Mairie de Paris
これを解決するため、パリ市はデザインを一新する方針を定め、2019年6月までに360のキオスクが新しくなり、46のキオスクが改装されることになりました。
←左の写真が、新しいデザインのキオスクです。その特徴は次のとおり:
●リサイクル材やLEDを使用して環境に優しい
●内部の設備を改善してより機能的に、より使いやすく、見やすく
●冷蔵スペースで冷たいドリンクの販売が可能
●100のキオスクに、インタラクティブ・マップやチケット購入などができる画面を導入
●断熱効果を高める設備と暖房の設置
●風雨を避けるためのガラス戸の設置
●開け閉めを簡略化する新構造
●広告を20%カット
…などなど。
↓ボツになったデザイン案
ちなみに、パリ市がキオスクのデザイン変更を検討しはじめた今年の5月ごろ出回った最初のデザイン案には、「現代的すぎる」「ゴミ箱みたい」とかなり多くの反対意見が飛び出し、嘆願書まで提出されたほどでした。その最初のデザインが左の画像です。これを見ると、確かに最終的に採用されたデザインのほうがしっくりきますね。なじみのあるグリーンの色合いや屋根の部分のディテールに苦心の跡が見えます。
が、それでもよりシンプルなデザインになってしまうという印象ではありますね。パリの街で写真を撮るとき、このキオスクも絵になる風景のひとつだったことを考えると、個人的には、これまでとまったく同じデザインで、中身だけを改善することはできなかったのだろうか…と思ってしまいましたが…みなさんは、どちらのキオスクがお好みですか?