〈映画〉ベルイマン島にて 2022年4月22日公開

© 2020 CG Cinéma ‒ Neue Bioskop Film ‒ Scope Pictures ‒ Plattform Produktion ‒ Arte France Cinéma

昨年、第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された注目作『ベルイマン島にて』が、4月22日から日本で公開されます。監督は今、フランスで最も期待されている監督のひとり、ミア・ハンセン=ラブ。舞台は、スウェーデンのフォーレ島、主演にルクセンブルク出身のヴィッキー・クリープスと、イギリスを代表する俳優ティム・ロスを迎え、全編英語で語られる作品です。

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フォーレ島(Fårö)はバルト海に浮かぶゴットランドという島の北端にあたる離れ島で、20世紀最大の巨匠と言われるスウェーデン人監督イングマール・ベルイマンが晩年を過ごし、いくつかの作品を撮影した場所としてよく知られています。主人公となる夫婦クリスとトニーは、それぞれ映画監督でベルイマンを敬愛するふたり。「ベルイマン・エステート」というアーティスト支援の滞在制度を利用し、彼らはベルイマンが愛したフォーレ島で一夏を過ごすことにします。妻と夫、映画監督という同業者、子供の母と父、創作活動を行うライバルとして、二人の関係が時に近づき、時に重なり、時にぶつかり、まるでベルイマンが残した作品の中の人物のように、フォーレ島の自然と空気が、少しずつ彼らの関係性にも影響を及ぼし始めます。




© 2020 CG Cinéma ‒ Neue Bioskop Film ‒ Scope Pictures ‒ Plattform Produktion ‒ Arte France Cinéma

〜あらすじ〜
映画監督カップルのクリスとトニーは、アメリカからスウェーデンのフォーレ島へとやって来た。創作活動にも互いの関係にも停滞感を抱いていた二人は、敬愛するベルイマンが数々の傑作を撮ったこの島でひと夏暮らし、インスピレーションを得ようと考えたのだ。やがて島の魔力がクリスに作用し、彼女は自身の「1度目の出会いは早すぎて2度目は遅すぎた」ために実らなかった初恋を投影した脚本を書き始めるのだが──。


映画『ベルイマン島にて』予告編

クリスが執筆中の脚本のあらすじをトニーに語りながら、その次回作となるであろう映画が劇中劇という形で繰り広げられます。そこで主人公の二人を演じるのは、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカと、ノルウェー人俳優のアンデルシュ・ダニエルセン・リー。フィクションである劇中劇のカップルと、現実のクリスとトニーのカップルのシーンが交互に映し出され、虚構と現実が入り混じったような不思議な感覚が映画全体を包み込み、その境目が曖昧になっていく様が興味深いです。

夏の休暇らしいゆったりとした空気感と、北欧スウェーデンの美しい海や森に囲まれたのどかな風景にも癒される、密かな名作です。

© 2020 CG Cinéma ‒ Neue Bioskop Film ‒ Scope Pictures ‒ Plattform Produktion ‒ Arte France Cinéma




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映画『ベルイマン島にて』

公開日:2022年4月22日(金)〜
監督・脚本:ミア・ハンセン=ラブ
出演:ヴィッキー・クリープス、ティム・ロス、ミア・ワシコウスカ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー ほか
劇場:シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
原題:BERGMAN ISLAND│2021年│フランス・ベルギー・ドイツ・スウェーデン│英語│113分│カラー│スコープ│5.1ch│日本語字幕:平井かおり│映倫区分:G(一般)
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ
後援:スウェーデン大使館
オフィシャルサイト:https://bergman-island.jp
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