〈映画〉ジャック・リヴェット映画祭 2022年4月8日(金)〜4月28日(木)開催

©︎ 1974 Les Films du losange

フランスのヌーヴェルヴァーグを築いた監督のひとり、ジャック・リヴェット。2016年に87歳でこの世を去りましたが(→ニュース記事)、1960年代〜2010年代の長きにわたって映画を撮り続け、今も語り継がれる傑作の数々を残しています。そんなリヴェット監督の70〜80年代の5作品を上映する「ジャック・リヴェット映画祭」が開催されます。そのうち3本がなんと日本劇場未公開作品!しかもデジタルリマスター版です。最も知名度の高い『セリーヌとジュリーは舟で行く』を大スクリーンで鑑賞できるだけでもすごいことですが、さらに日本初公開映画を3つも見られる、またとない貴重な機会です。場所はヒューマントラストシネマ渋谷にて、4月8日〜28日までの開催ですので、今すぐチケット予約を!スケジュールやプログラムは公式サイトをご覧ください。5月以降は東京以外の各地でも開催予定ですよ〜。




『セリーヌとジュリーは舟でゆく』Céline et Julie vont en bateau

© 1974 Les Films du losange

出演:ジュリエット・ベルト、ドミニク・ラブリエ、マリー=フランス・ピジェ、バーベット・シュローダー
1974年/フランス/カラー/193分
公園のベンチで魔術の本を読んでいた司書のジュリーが魔術師セリーヌと出会ったことからはじまる奇妙な冒険、そしてある殺人事件のにおい。「不思議の国のアリス」的迷宮を思わせる冒頭から始まる本作はセリーヌ役のジュリエット・ベルトとジュリー役のドミニク・ラブリエが書き始めた台本から出発し構成された。幻想と現実の境界線を軽やかに飛び越えて自由に入れ替わる主人公たちのユーモラスなやりとりや70年代を象徴するサイケデリックな衣装も楽しく、遊び心に溢れたファンタジーの傑作にしてリヴェットの人気作。


『デュエル』Duelle

© 1976 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.

出演:ジュリエット・ベルト、ビュル・オジェ、ジャン・バビレ
1976年/フランス/カラー/121分
☆日本劇場初公開
現代のパリを舞台に、地上での生を受けるため魔法の石をめぐって太陽の女王と月の女王が対決するファンタジー。リヴェットはジェラール・ド・ネルヴァルの小説に着想を得て、ラブストーリー、犯罪劇、西部劇、ミュージカル・コメディといった内容の<火の娘たち>と称した4部作を構想し、本作はその“犯罪劇”にあたる。奇想天外なおとぎ話のような題材を挑戦的なフィルム・ノワールの要素を盛り込んで表現し、超現実的で詩的な美しさを達成した。決闘者の女ふたりに扮するはリヴェット映画の常連ジュリエット・ベルトとビュル・オジェ。


『ノロワ』NOROÎT

© 1976 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.

出演:ジェラルディン・チャップリン、ベルナデット・ラフォン、キカ・マーカム
1976年/フランス/カラー/135分
☆日本劇場初公開
女海賊モラグは弟の仇を討つために孤島の城を占拠する海賊団のリーダー、ジュリアに復讐を誓う。『デュエル』と同様、対決するふたりの女性を描く本作は4部作<火の娘たち>の2作目であり西部劇として作られたが、リヴェットの魔術にかかれば時代やジャンルを問わない作品へと変貌する。ブルターニュ沿岸の12世紀の要塞と17世紀に再建された城といった壮観なロケーションで繰り広げられる物語の中で虚構と現実がぶつかり合い、死の舞踏が振り付けられてゆく。


『メリー・ゴー・ラウンド』Merry-Go-Round

© 1979 SUNSHINE / INA.Tous droits réservés.

出演:マリア・シュナイダー、ジョー・ダレッサンドロ、ダニエル・ジェコフ、モーリス・ガレル
1981年/フランス/カラー/161分
☆日本劇場初公開
ベンは元恋人エリザベスから電報を受け取りパリへ向かうが、そこにいたのは彼女の妹レオだった。今作では男と女がデュエルとして対立する関係となり、謎に支配された舞台で終わることのない追いかけっこが繰り広げられる。レオ役を演じたマリア・シュナイダーやリヴェット自身の個人的な問題により撮影は長引き混乱を極めるも、長編第一作である『パリはわれらのもの』で導入されたテーマを家族間の復讐やパラノイアを絡めメランコリックなミステリーとして見事に再構築した。ベンを演じるのはアンディ・ウォーホルに見出された俳優ジョー・ダレッサンドロ。またレオとエリザベスの父親には名優モーリス・ガレルが扮している。


『北の橋』Le Pont du Nord

© 1981 Les Films du losange

出演:ビュル・オジェ、パスカル・オジェ、ピエール・クレマンティ
1981年/フランス/カラー/127分
ビュル・オジェと実娘のパスカル・オジェ共演作でリヴェット版現代の「ドン・キホーテ」。突然現れた閉所恐怖症の女テロリストのために、彼女の昔の恋人との連絡を引き受ける少女バチストは鎧の代わりに革ジャンを羽織り、馬の代わりにバイク、兜の代わりにヘルメットをかぶってドン・キホーテを演じてみせる。パリの街と符号する双六ゲームの上で、日常を生きながらにして幻想に駆られた俳優たちの身体と、現実の中から立ち現れてくるファンタジーが結びつく興味深い一編。





ジャック・リヴェット映画祭2022

期間:2022年4月8日(金)〜4月28日(木)
劇場:ヒューマントラストシネマ渋谷(東京以外の都市でも順次公開予定)
料金:当日一般 ¥1,900、大学生 ¥1,500、中高生・シニア ¥1,000、每週水曜サービスデー ¥1.200
オフィシャルサイト:https://jacquesrivette2022.jp

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