アートからオリンピックまで…「グラン・パレ・エフェメール」誕生

1900年に開催されたパリ万博のために建てられ、現在も展覧会や見本市の会場として大活躍するグラン・パレは現在、大規模なリニューアル工事中です。この休館期間中にグラン・パレに代わってさまざまなイベントを開催する「Grand Palais Ephémère グラン・パレ・エフェメール」(仮設/臨時のグラン・パレ)が誕生しました。






場所は、エッフェル塔のふもとの公園シャン・ド・マルスの南端で、陸軍士官学校(エコール・ミリテール)の美しい建物の目の前。縦51m、横33mの十字架のようなデザインで、設計はフランスを代表する建築家の1人、ジャン=ミシェル・ヴィルモットが手がけました。

©Wilmotte & Associés Architectes

木材を多く使う、防音・防熱対策を徹底する、など環境負荷の軽減を目指したエコロジーな建築です。

©Patrick Tourneboeuf I Tendance Floue

面積1万㎡の館内には柱が一切なく、開催されるイベントの内容に合わせて柔軟に対応できるスペースになっており、FIAC(国際現代アート見本市)やエルメスの馬術大会など、通常ならグラン・パレで開催されるアート&カルチャーイベントがここで行われる予定です。忘れてはならないのは、2024年にパリで開催予定のオリンピック/パラリンピック。この「グラン・パレ・エフェメール」はパリ市内の重要な競技会場となり、柔道とレスリングがここで行われます。

©Patrick Tourneboeuf I Tendance Floue

「仮設のグラン・パレ」というその名からもわかるとおり、パリ五輪終了後の2024年秋には解体される予定ですが、他の場所に移設も可能、つまりリサイクルが可能な構造になっています。とはいえ、万博後に解体予定だったエッフェル塔が130年以上経った今も生き残っていることを考えると、この建物がオリンピック後も残される可能性もゼロではなさそうです。

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