〈映画〉やさしい女 デジタル・リマスター版

1986年の日本公開以来ほとんど上映機会がなく、ソフト化もされていない貴重な映画『やさしい女』がデジタル・リマスター版でよみがえります。ドストエフスキーの短篇のなかでも最高傑作と呼ばれる「やさしい女 幻想的な物語」を原作に、物語の舞台をロシアから現代(60年代後半)のパリへと移した巨匠ロベール・ブレッソンの作品です。その美しいカラー画面を手がけるのは、ジャック・ドゥミ『ロシュフォールの恋人たち』の撮影監督ギスラン・クロケです。この作品がデビュー作となった女優ドミニク・サンダの輝くような美しさを堪能してください。



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「彼女は16歳ぐらいに見えた」。質屋を営む中年男は妻との初めての出会いをそう回想する。安物のカメラやキリスト像を質に出す、若く美しいがひどく貧しい女と出会った男は、「あなたの望みは愛ではなく結婚だわ」と指摘する彼女を説き伏せ結婚する。質素ながらも順調そうに見えた結婚生活だったが、妻のまなざしの変化に気づいたとき、夫の胸に嫉妬と不安がよぎる……。衝撃的なオープニングから始まる本作は、一組の夫婦に起こる感情の変化と微妙なすれ違いを丹念に描き、夫婦とは、愛とは何かという根源的な問いを投げかける。
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『やさしい女 デジタル・リマスター版』
Une Femme Douce
監督・脚色・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン
出演:ドミニク・サンダ、ギイ・フランジャン、ジャン・ロブレ
公開:2015年4月4日(土)より、新宿武蔵野館 他 全国順次公開(詳細はこちら
配給:コピアポア・フィルム
オフィシャルサイト

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