〈フランス的植物療法のススメ〉6月のフィトテラピー

植物の薬理作用を利用して、心と体を整える植物療法 「フィトテラピー」は、フランスではおばあちゃんの知恵と同じように古くから受け継がれる自然療法の一つです。ここでは、パリ在住のフィトテラピストmakiさんが、よく使われるハーブや精油を季節に応じた症状別にピックアップ。日本でも取り入れやすいフィトテラピーを通して、毎日がより快適で楽しくなるアイデアをパリからシェアします。

ここでご紹介するフィトテラピーは、病気を治すためのものではありません。自然治癒力を高め、ちょっとした心身の不調を整えたり、予防法の一つとしておすすめするものです。

自分の身体の声を聞いて、皆さんの毎日を快適にするヒントとなれば嬉しいです。

梅雨と紫外線に負けない髪へ ― 植物の力でやさしくヘアケア

雨に濡れて広がる髪、湿気によるうねり、紫外線によるダメージ。6月は髪にとって過酷な季節ともいえます。そこで今月は、髪や頭皮を健やかに保ち、心もリラックスできる植物の力を取り入れたナチュラルケアをご紹介します。
使うのは、手軽に取り入れられる2種の精油と、1種のハーブティー。この季節の揺らぎやすい髪と心のバランスを、植物がそっと整えてくれます。

〔 ローズマリーの精油 〕

（学名 Rosmarinus officinalis）
清涼感のあるすっきりとした香りが特徴のローズマリーは、血行を促進し、頭皮を健やかに保つことで知られています。皮脂バランスを整え、髪のハリやコシを保つサポートもしてくれます。
スウィートアーモンドオイルなどのキャリアオイル（ベースオイル） 5mlに1～2滴加えて、シャンプー前に頭皮マッサージを。清涼感のある香りとともに、頭がすっきりと軽く感じられるでしょう。
＊妊娠中の方、高血圧やてんかんの持病がある方は使用を避けてください。必ず希釈し、パッチテストをしてからご使用ください。

〔 イランイランの精油 〕

（学名 Cananga odorata）
エキゾチックな甘い香りを持つイランイランは、皮脂バランスを整え、乾燥による枝毛・切れ毛を防ぐ効果があるとされています。気持ちを落ち着け、ストレス性の脱毛予防にもおすすめです。
アボカドオイルなどのキャリアオイル（ベースオイル）5mlに1滴加え、毛先中心にやさしくなじませてください。香りが苦手な方は量を控えめに。
＊妊娠中の使用は避けてください。比較的、強い香りですので使用量に注意してください。頭痛を引き起こすことがあります。必ず希釈し、パッチテストをしてからご使用ください。

〔 スギナのハーブティー 〕

（学名 Equisetum arvense）
スギナは、ミネラルやケイ素を豊富に含み、肌・髪・爪の健康をサポートしてくれるハーブです。とくにケイ素は、髪の内部構造を支える重要な成分とされており、飲むことで内側から美しい髪を育てるサポートになります。
乾燥させたスギナをティーポットに入れ、沸騰したお湯を注ぎ10分程蒸らします。クセがなく、他のハーブとブレンドしても飲みやすいハーブです。日本では、ハーブ専門店やオーガニックショップ、お茶屋さんなどで有機のものも比較的見つけやすいでしょう。
＊心臓、腎臓の機能不全の方は使用不可。利尿作用が強いため、腎機能に不安がある方は医師に相談をしてください。長期間の常用は避け、1日1〜2杯を目安にしてください。