カルチエ・ラタンの歴史的書店が閉店

中世から続くパリの学生街カルチエ・ラタンの書店「Gibert Jeune ジベール・ジューヌ」が、サン・ミッシェル広場にあった4店舗を2021年3月末に閉店しました。まさにカルチエ・ラタンの象徴的存在だった書店だけに、その閉店を惜しむ声が多くのパリ市民から挙がっています。




その歴史は創業者ジョゼフ・ジベールが1888年サン・ミッシェル大通りに開いた書店までさかのぼります。1929年に、創業者の長男ジョゼフが新たな書店「Gibert Joseph ジベール・ジョゼフを開店。次男のレジスは父の書店を受け継ぎ、「Gibert Jeune ジベール・ジューヌ」と名付けました。

それ以来100年近くにわたり、この兄弟2人の書店はカルチエ・ラタンとパリの学生たちの歴史に寄り添い続けてきました。2017年「Gibert Jeune ジベール・ジューヌ」が経営難に陥った際には兄弟書店とも言える「Gibert Joseph ジベール・ジョゼフ」が買収して救済しましたが、時代の流れには逆らえず、ついにサン・ミッシェル広場に面した歴史的な店舗の閉店が決まりました。なお、この地区に書店を残したいというパリ市の意志により、サン・ミッシェル河岸23番地と27番地の2店舗は営業を続けます。

パリやフランスはもちろん、世界中から集まった留学生たちにとっても思い出の本屋さんだった「Gibert Jeune ジベール・ジューヌ」。パリの魂がまたひとつ消えてしまった、と悲しむ声がやみません。

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