東京藝大生3人の作品がパリの国際コンテンポラリーアートフェアFIACで特別展示!

コルベール委員会 Comité Colbert」をご存知ですか?1954年にゲランの創始者であるジャン=ジャック・ゲランを中心に創設され、カルティエやシャネルなどフランスのラグジュアリーブランド81社と14の歴史的文化施設、6つの欧州メンバーという多様なメンバーで構成される組織で、世界の人々にフランス流の「美しい暮らし(Art de Vivre)」を伝えるという理念のもとに様々な活動をしています。

このコルベール委員会東京藝術大学の協力を得て日本から世界に向けて発信するプロジェクトが「2074、夢の世界 Rêver 2074」です。50組の藝大生が、6つのSF小説と新語からインスピレーションを得て60年後のユートピア世界をヴィジュアルで表現したアート作品を制作。作品は今年の6月17日〜25日まで、東京藝術大学大学美術館の展覧会で発表されました。

この中から選ばれた特に優秀な3作品が、10月19日から22日までパリで開催されているFIACで特別展示されています。
受賞したのは女性3人。
北林加奈子さん
「肌」

川人綾さん
「織合い」

島田清夏さん
「Voice of the Void: 4600000000」

《FIACとは?》
Foire Internationale d’Art Contemporain
世界のコンテンポラリーアート界において最も権威ある国際的アートフェアの1つ。1974年に創設され、絵画、彫刻、写真、インスタレーション、ビデオ、公演、デジタルアートなど、すべてのメディアを網羅し、毎年66ヶ国以上のギャラリスト、コレクター、アーティスト、キュレーター、ディレクターが集まる世界屈指のアートフェア。

そこで、受賞者3人の方の作品を見に、FIACの会場であるグラン・パレに行ってきましたよ!







左上:日比野克彦さん(東京藝術大学学部長、アーティスト)・中上:ギヨーム・ドゥ・セーヌさん(コルベール委員会チェアマン)・右上:八谷和彦さん(東京藝術大学先端表現科 准教授)・左下:島田清夏さん・中下:北林加奈子さん・右下:川人綾さん

北林加奈子さん 「肌」

自分と外の世界の境界としての「肌」を焼き物と他の素材との組み合わせで表現。肌で感じることは確かなこと。確かなもの、変わらない普遍的なものが残る未来をイメージ。



川人綾さん 「織合い」



木製パネルにアクリルで手描きしたグリッドは、手作業から生まれるズレと、錯視効果(実物と目で見るものとのギャップ)が興味深い。京都で染織を学んだいっぽう、父が脳科学者だという作者らしく、伝統とテクノロジーが共存する作品。

島田清夏さん 「Voice of the Void: 4600000000」



マイナス30度で霧になったエタノールのなかに隕石のかけらを置くと、微量に放出される放射線を可視化できる。これを写真に撮り、100枚ずつ重ねることで、浮かび上がる線は、まるで宇宙の言語のよう。同時に、サンプリングした男性と女性それぞれの声が、放射線の動きに合わせて聴こえてくる。「声なきものの声を聞く」作品。作者は花火師としても活動している。



今回、FIACは初体験でしたが、美術館をいくつも見て回ったような贅沢な気分になれるイベントでした。会場は熱気に包まれていて、まさにコンテンポラリー・アートの祭典!です。













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