オルセー美術館:「オーヴェル・シュル・オワーズのファン・ゴッホ」展

オルセー美術館で10月3日から2024年2月4日まで開催されている「オーヴェル・シュル・オワーズのファン・ゴッホ」展に行ってきました。

19世紀半ばに鉄道が開通して以来、フランス北部独特の柔らかな日の光とのどかな田園風景に惹かれたバルビゾン派のドービニーやコロー、印象派のピサロら多くの画家たちが暮らしたオーヴェル・シュル・オワーズ。なによりも、ゴッホがここで最期の2ヶ月を過ごし、多くの作品を残したことで有名です。ゴッホが描いた風景や建物はオーヴェルの街中に今も残り、見る者を彼が生きた19世紀末にタイムスリップさせてくれます。




“Auvers est gravement beau…”
オーヴェルはものすごくきれいだ…

南仏アルル、そして、サン・レミ療養院での生活の後、精神科医で、かつ収集家・アマチュア画家でもあったガシェ医師を頼り、ゴッホがオーヴェル・シュル・オワーズにやってきたのは1890年5月20日のことでした。市役所の向かい、まさに村の中心にあるラヴー亭に部屋を借り、不安を忘れるためには絵に没頭すべきだというガシェ医師の勧めもあって、なにかに取り憑かれたかのように絵を描き始めました。そして7月29日に亡くなるまでの2ヶ月ちょっとの間に、74点の絵画と33点のデッサンが生まれたのです。

今回は、ゴッホの最後の2ヶ月の作品に焦点を当てた、初めての展覧会となります。すでにオルセー美術館所蔵の作品はもちろんですが、この展覧会のために世界中からこの時期の作品が集められ一堂に会した、とても貴重な機会です。もちろん実物を見るに越したことはありませんが、せっかくなので、特にフランス以外の各国から集まった作品を中心に、写真でご紹介したいと思います。

オーヴェルの風景

ポートレート

静物画

自然の風景

横長の絵画

ゴッホがオーヴェルで描いた絵画74点のうち13点が、1辺50cmの正方形を横に2つ並べた横長の絵画です。これは、ゴッホ自身が意図的に選んだフォーマットでした。この展覧会ではそのうちの11点が初めて同じ展示室に並びました。

“Un jour ou un autre, je crois que je trouverai moyen de faire une expositon à moi dans un café.”
いつかは、どこかのカフェで、僕の作品の展覧会を開くこともできると思う。

自分の精神の病や、経済的に援助を受けている弟テオへの負い目、芸術の世界での立ち位置など、さまざまな不安と苦悩の中で、それでも未来への希望を見出していたゴッホの姿が、最期の2ヶ月に描かれた作品からも見えてくるようでした。展覧会は本当に大盛況で、「いつかカフェで展覧会を開けたら」と弟への手紙に書いていたゴッホに見せてあげたかったです。

オヴェール・シュル・オワーズのファン・ゴッホ – 最後の数ヶ月

Van Gogh à Auvers-sur-Oise – Les derniers mois
場所:オルセー美術館
期間:2023年10月3日〜2024年2月4日
開館日:火-土 9:30-18:00(木-21:45)
休館日:月、1/1、12/25
*展覧会公式サイト:
https://www.musee-orsay.fr