効率良くパリを旅するカギは、全体像を把握してそれぞれの地区の特徴や位置関係を知ること。とはいえ、初めて訪れる場所はなかなかエリアの感覚が掴めないものです。このページでは、旅行者が必ず足を運ぶエリアごとに、有名スポットやモニュメント、地区の特徴を紹介します。各エリアの名前は、一般的にフランスで用いられているもので、その地区を象徴するようなスポットの名前だったり、メトロの名前だったりします。セーヌ川を基準にした右岸(北側)と左岸(南側)と呼ばれる2つのグループに分けて覚えておいても便利です。
左岸 RIVE GAUCHE(リヴ・ゴーシュ)
パリ左岸とはセーヌ川を挟んで南側にあたる地域の呼び名。地図では下半分の青色で示した部分です。南北や上下ではなく左と右で呼び分けるのが面白いですね。左岸を代表する地区といえばサン・ジェルマン・デ・プレでしょう。かつて、大通り沿いのカフェ・ド・フロールやカフェ・ドゥ・マゴに文豪や哲学者、アーティストが集い、今も知的で文学的な香りの漂う地区です。パリ最古のデパート、ボン・マルシェもありシックで優雅な雰囲気。また、パリで外せない観光スポット、エッフェル塔やオルセー美術館も左岸に位置します。
Saint Germain des Prés
サン・ジェルマン・デ・プレ地区
パリらしいシックな空気に包まれたサンジェルマン・デプレは、グルメとモード、アートを堪能できる左岸を象徴する地区。カフェ・ド・フロールやドゥ・マゴは、かつての文豪や芸術家たちが集った一度は訪れたい老舗カフェ。パリ最古のデパート、ル・ボン・マルシェで最新のモードやコスメをチェックしたり、隣のラ・グランド・エピスリー・ドゥ・パリ食品館でグルメなおみやげを探したり、ゆったりと過ごせるのが魅力。日曜オープンの店も増え便利。
|サン・ジェルマン地区の有名スポット|
– オルセー美術館
– サン・ジェルマン教会
– サン・シュルピス教会
– ル・ボン・マルシェ(百貨店)
– ラ・グランド・エピスリー・ドゥ・パリ(ボンマルシェ食品館)
– サン・シュルピス教会
– リュクサンブール公園
– カフェ・ド・フロール
– カフェ・ドゥ・マゴ
– ブラッスリー・リップ
– オデオン広場
– ドラクロワ美術館
Tour Eiffel / Invalides
エッフェル塔/アンヴァリッド地区
パリに来たら必ず一度は訪れるエッフェル塔。遠くから眺めるエッフェル塔も美しいですが、せっかくだから、塔に登って高いところからパリの全景を眺めてみるのも他ではできない経験です。エッフェル塔の観光がてら、せっかくなので周辺も歩いてみましょう。おいしいパン屋さん、ケーキ屋さん、お菓子屋さん、そしてレストランが立ち並ぶ通称「グルメ通り」と呼ばれるサン・ドミニック通り。そこから伸びる庶民的な雰囲気のクレール通りも、パリ左岸のパリジャンたちの生活の息吹が感じられる素敵なエリアです。お天気の良い日は、エッフェル塔裏手の公園シャン・ド・マルスや、アンヴァリッドをのぞむ芝生ゾーンで、ピクニックしたりひと休みしたりするのもおすすめです。
|エッフェル塔/アンヴァリッド地区の有名スポット|
– エッフェル塔
– シャン・ド・マルス
– アンヴァリッド
– サン・ドミニック通り
– クレール通り
– ロダン美術館
– ケ・ブランリー美術館
– アレクサンドル3世橋
– パリ日本文化会館
Quartier Latin
カルチエ・ラタン地区
カルチエ(Quartier)=地区、ラタン(Latin)=ラテン語という名前は、その昔ヨーロッパ各地から集まった学生たちがラテン語で会話していたことに由来しているそう。ソルボンヌ大学をはじめとする、パリの名だたる大学、グラン・ゼコールが多く集まるエリアとしても有名で、隣のサン・ジェルマン地区に比べて、学生向けのリーズナブルなレストランやカフェも多いです。良心的な価格で質の良いホテルも多い穴場で、シャルル・ド・ゴール空港直通のRER B線が停まるサン・ミッシェル駅周辺で探すと便利です。自然史博物館や植物園をゆったり見学するコースは、特に子連れパリ旅行にもおすすめ!
|カルチエ・ラタン地区の有名スポット|
– クリュニー中世博物館
– パンテオン
– 植物園
– 自然史博物館
– モスク・ド・パリ(モスケ)
– アラブ世界研究所
– ソルボンヌ大学
– ムフタール通り
Montparnasse
モンパルナス地区
パリ中心部でひと際目立つ背の高いモンパルナスタワーがランドマーク的存在。SNCF国鉄駅のモンパルナス駅からサン・ジェルマン大通りに向かって伸びるレンヌ通りには、ファッションや雑貨のお店、軽食が取れるお店などが並びとてもにぎやか。駅周辺にあるピカソや藤田をはじめとする当時の芸術家たちが足繁く通った老舗ブラッスリーは、古き良きフランスを体感できる内装の中、定番のビストロ料理や生牡蠣、シーフードプレートを味わうのにぴったりの場所。
|モンパルナス地区の有名スポット|
– SNCFモンパルナス国鉄駅
– モンパルナス・タワー(パリ展望台)
– BUS DIRECT空港シャトルバス発着所
– モンパルナス墓地
– ラ・クーポール
– ラ・ロトンド
– ブールデル美術館(15区ですがモンパルナス駅にとても近い場所)
13e arrondissement / Quartier Chinois
13区・中華街地区
メトロ7番線のゴブラン駅(Les Goblins)からプラス・ディタリー駅(Place d’Italie)、さらにその南側のトルビアック駅(Tolbiac)、メゾン・ブランシュ駅(Maison Blanche)辺りまで広がる13区は、中華街のあるエリアとして知られています。おいしいフォーやボブン、餃子、中華料理のお店がひしめき、アジア系食材店も並びます。小高い丘に小さな家が立ち並ぶ可愛らしいビュット・オ・カイユもちょっと変わった散歩コースにおすすめ。イタリー広場には大きなショッピングセンター「Italie 2」があり便利。とても庶民的な空気の漂う界隈です。セーヌ川寄りには国立図書館もあります。
|13区・中華街地区の有名スポット|
– パリ中華街
– ビュット・オ・カイユ
– SNCFオステルリッツ国鉄駅(オーステルリッツ国鉄駅)
– イタリー2(ショッピングモール)
– フランソワ・ミッテラン国立図書館
14e arrondissement
14区
モンパルナスの南側にあたるパリ14区は、パリ中心地に比べるとぐんとのどかで、パリジャンたちの普段着の生活の様子を垣間見られるエリア。観光スポットはあまり多くないですが、地下道の壁や天井をガイコツが埋め尽くすカタコンブ(地下納骨堂)や、スイス生まれの建築家ル・コルビュジエが手がけた建築のあるシテ・ユニベルシテ、ちょっと変わった展示が注目を集めるカルチエ現代美術財団、最近オープンしたばかりのジャコメッティ美術館など、個性的なアドレスが隠れています。
|14区の有名スポット|
– カタコンブ
– アトリエ・オザンファン(ル・コルビュジエ)
– スイス館(ル・コルビュジエ)
– ブラジル館(ル・コルビュジエ)
– カルチエ現代美術財団
– ジャコメッティ美術館
– モンスリ公園
15e arrondissement
15区
日本人旅行者にはあまり馴染みのない界隈ですが、庶民的でゆったりとした雰囲気のエリア。中でも、アンドレ・シトロエン公園にある気球「バロン・ド・パリ」はパリが一望できるスポットの中でも、その迫力のある眺めは格別!地上にワイヤーでくくりつけられた気球は地上150〜300mの高さまで上昇します。他にも、古本市の立つジョルジュ・ブラッサンス公園や、ファッションウィーク中に開催されるモードの展示会Who’s Nextをはじめ、あらゆる分野の国際的な展示会が常に催されるポルト・ドゥ・ヴェルサイユ国際展示会場もあります。12番線のコンヴォンション駅(Convention)周辺は地元のパリジャンの生活の場としていつも活気があります。
|15区の有名スポット|
– アンドレ・シトロエン公園(気球バロン・ドゥ・パリ)
– ジョルジュ・ブラッサンス公園の古本市(ブランシオン)
– ボーグルネル(ショッピングセンター)
– ポルト・ドゥ・ヴェルサイユ国際展示会場
Marché aux puces de Vanves
ヴァンヴの蚤の市
毎週末にパリ南部のポルト・ドゥ・ヴァンヴに立つ蚤の市。クリニャンクールの蚤の市に比べてこぢんまりとしていて、メインの通り2本に沿ってお店が並んでいるので、旅行者にとっても行きやすく、見やすい蚤の市と言えるでしょう。比較的状態の良い品物が多く、キーホルダー、アンティーク食器、ヴィンテージ服、アンティークジュエリー、ヴィンテージのボタン、雑貨、古雑誌、紙ものなど、ありとあらゆるジャンルの骨董品、ヴィンテージが揃います。最寄りの地下鉄は13番線のPorte de Vanvesです。ちなみに、ヴァンヴの蚤の市も14区内です。
右岸 RIVE DROITE(リヴ・ドロワット)
パリ右岸とはセーヌ川を挟んで北側にあたる地域の呼び名。地図では上半分の赤色で示した部分です。シャンゼリゼ大通り、ルーヴル美術館、オペラ・ガルニエ、ギャラリー・ラファイエット、プランタンといったデパートなど、きらびやかでリュクスなパリのイメージが強い地区が並びます。ここ数年、Merci(メルシー)をはじめとするおしゃれなショップや、若いシェフが腕をふるうおいしいビストロやレストラン、スイーツの店が増えているマレ、北マレ、サン・マルタン運河界隈も、最新のパリを知る注目のエリアです。
Opéra
オペラ地区
日本人旅行者にとっても馴染みの深いパリの中心地。オペラ・ガルニエ(オペラ座)を中心に、ルーヴル美術館、ギャラリー・ラファイエットやプランタンといったデパート、高級ブランドやホテルに囲まれたヴァンドーム広場、マドレーヌ寺院とコンコルド広場を結ぶロワイヤル通り、のんびりとしたお散歩にぴったりのチュイルリー公園、一目見たいモネの睡蓮が収蔵されるオランジュリー美術館など、パリ旅行には幾度となく訪れる界隈です。通称「日本通り」と呼ばれ親しまれるサン・タンヌ通り(rue Saint Anne)や周辺には和食店、食料品店、日本の書店、旅行代理店が立ち並び、旅行者にとって心強いエリアでもあります。
|オペラ地区の有名スポット|
– オペラ・ガルニエ
– ルーヴル美術館
– オランジュリー美術館
– パリ装飾芸術美術館
– チュイルリー公園
– パレ・ロワイヤル
– ヴァンドーム広場
– サントノレ通り
– ギャラリー・ラファイエット
– プランタン
– ロワシーバス 空港シャトルバス発着所
– 日本人街(サン・タンヌ通り、ジュンク堂、HIS等日本の旅行代理店、和食店、日本の食材店、ラーメン屋さん、うどん屋さん、お寿司屋さん他)
– イケア・パリ
– マドレーヌ寺院
Champs-Elysées
シャンゼリゼ地区
オペラ座地区と並んで、パリ右岸の観光スポット2大巨頭。パリに来たら必ず訪れるシャンゼリゼ大通りは、歩いているだけで心が踊るパリらしさを満喫できるエリアです。日曜日営業、夜遅くまでオープンしているお店も多く、とにかく人通りの絶えないにぎやかさ。エッフェル塔と同い年の見事な鉄筋造りのグラン・パレでは、注目の展示会が催され長蛇の列ができる人気ぶりです。向かい側のプチ・パレはパリ市が運営する美術館のため、常に無料で入場できます!
|シャンゼリゼ地区の有名スポット|
– 凱旋門
– シャンゼリゼ大通り
– モンテーニュ大通り
– 在仏日本大使館
– グラン・パレ
– プチ・パレ
– リド
– クレイジー・ホース
– バトー・ムーシュ、セーヌ川クルーズ船発着所
– 高級ブランド店
Montmartre
モンマルトル地区
真っ白なサクレ・クール寺院を背に、モンマルトルの丘から見下ろすパリの姿はやっぱり美しい!映画『アメリ』の雰囲気そのままにおしゃれな下町といった雰囲気で、パリジャンが暮らしたい人気カルチエのひとつです。サクレ・クール寺院とモンマルトルの丘を観光したら、アベス駅(Abbesses)周辺のほか、SOPI(ソピ:South of Pigalle)と呼ばれる新エリア、ピガール駅の南側へ。パリらしいクリエイターやおしゃれなカフェ、注目のレストラン、パティスリーが並びます。
|モンマルトル地区の有名スポット|
– サクレクール寺院
– モンマルトルの丘
– ムーラン・ルージュ
– モンマルトル美術館
– ラパン・アジル(シャンソン酒場・シャンソニエ)
– マルティール通り(グルメ&ファッション)
– モンマルトル墓地