「恋するシャンソン」に恋してたあのころ…

3月1日、「夜と霧」「24時間の情事(ヒロシマ・モナムール)」など数多くの名作を残したフランス映画界の巨匠アラン・レネ監督が享年91歳で亡くなりました。作品をたくさん見ているわけでもないので、アラン・レネについて語る資格はあまりないのですが、私にとってアラン・レネといえば、なんといっても「恋するシャンソン On connaît la chanson」!1997年制作で日本では1998年に公開されました。追悼企画でしょうか、ちょうど3月13日の夜にはTVでこの映画が放送されていましたよ。



家探しをきっかけに知り合った男女7人が繰り広げるラブストーリーなのですが、何よりも、舞台がパリ。かつ、芸達者で、いかにもフランス人ぽさを漂わせる役者たちの顔ぶれ(私生活で監督のパートナーでもあるサビーヌ・アゼマ、ピエール・アルディティ、アンドレ・デュソリエ、ジャン=ピエール・バクリ、アニエス・ジャウイ、ランベール・ウィルソン…)。そして映画全編に散りばめられた往年のシャンソンや懐かしのフレンチポップス…フランス留学を終えて日本に戻り1年ほど経っていたそのころの私にとっては、フランスへのノスタルジーをぐっとかきたてられたようで、思い出深い映画となりました。

この映画の面白いところは、登場人物が普通の会話のなかで突然、そのときの心情に合わせた歌のフレーズを口パクで歌い出すところ。コミカルなシーンはまだしも、シリアスなシーンでも急に歌が始まるのが独特。使われているのはシャルル・アズナブール、ジャック・デュトロン、エディット・ピアフ、アラン・バシュン、セルジュ・ラマ、ジェーン・バーキン、フランス・ギャル、アラン・スーション、セルジュ・ゲンスブール、ジョニー・アリディ、クロード・フランソワ、ジュリアン・クレール、エディ・ミッチェル、テレフォンなどフランス人にとってはなじみ深い歌手のなじみ深い曲ばかりで、私は今でもたまに思い出してはサントラ盤を引っ張りだして聴いたりしています。

というわけで、突然歌い出すシーンの動画をいくつかどうぞ。ジェーン・バーキンが自分の歌なのに口パクしているシーンの動画が見つからなくて残念…


No Comments Yet

Comments are closed