2025年バカロレア試験・哲学の問題

毎年6月に行われる大学の入学資格を得るための統一国家試験、バカロレア(Baccalauréat, 通称Bac バック)の季節がやってきました。今年は6月16日(火)の朝8時、例年どおり哲学の試験からスタート。53万人を超える高校3年生たちが受験しました。

この大学入学資格試験に、文系理系を問わず、「哲学」という科目が存在すること自体がとても「フランス的」で毎年注目しています。なんと、ナポレオン・ボナパルトが1808年にバカロレアを創設した当初から、哲学は試験科目になっていました。試験時間は4時間!の長丁場。トリコロル・パリの解釈で2025年哲学の問題をご紹介しますが、問題を翻訳すること自体が難しいので、フランス語が得意な方はぜひより良い訳を考えてみてくださいね。これを高校3年生が解くのだと想像しながら読むとさらに味わい深いです。
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一般バカロレア(baccalauréat général)

3つのうち好きな1問を選んで答えよ
-Notre avenir dépend-il de la technique ?
(私たちの未来は技術に依存しているか?)
-La vérité est-elle toujours convaincante ?
(真実は常に説得力があるものだろうか?)
-Commentaire de texte : John RAWLS, Théorie de la justice (1971)
(ジョン・ロールズ『正義論』(1971年)の抜粋テキストを解説せよ。)

技術バカロレア(baccalauréat technologique)

3つのうち好きな1問を選んで答えよ
-Sommes-nous libres en toutes circonstances ?
(私たちはいかなる状況でも自由だろうか?)
-Avons-nous besoin d’art ?
(私たちには芸術が必要か?)
-Commentaire de texte : Adam Smith, Théorie des sentiments moraux, 1759
(アダム・スミス『道徳感情論』(1759年)の抜粋テキストを解説せよ。)

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