2017年バカロレア試験・哲学の問題

Photo © afp.com/Martin Bureau
大学の入学資格を得るための統一国家試験、バカロレア(Baccalauréat, 通称Bac バック)、今年も6月15日からスタートしました。この大学入学資格試験に、文系理系を問わず、「哲学」という科目が存在すること自体がとても「フランス的」で興味深いですよね。なんと、ナポレオン・ボナパルトが1808年にバカロレアを創設した当初から、哲学は試験科目になっていたとのこと。トリコロル・パリの解釈による翻訳で2017年哲学の問題をご紹介します。これを高校3年生が解くのだと想像しながら読んでみてくださいね。
2012年の問題2013年の問題2014年の問題2015年の問題2016年の問題




(3つのうち好きな1問を選んで答えよ)
文系
-Suffit-il d’observer pour connaître?
(観察するだけで理解することはできるか?)
-Tout ce que j’ai le droit de faire est-il juste ?
(行使する権利のあることすべてが正しいものであるか?)
-Explication de texte : ROUSSEAU, Discours sur l’origine et les fondements de l’inégalité parmi les hommes, 1755.
(ジャン=ジャック・ルソー『人間不平等起源論』の抜粋テキストを解説せよ。)

理系
-Défendre ses droits, est-ce défendre ses intérêts ?
(権利を守ることは、利益を守ることであるか?)
-Peut-on se libérer de sa culture ?
(自分の文化から逃れることはできるか?)
-Explication de texte : FOUCAULT, Dits et Ecrits (1978).
(ミシェル・フーコー『思考集成』の抜粋テキストを解説せよ。)

経済・社会系
-La raison peut-elle rendre raison de tout ?
(理性とはすべてを正当化することであるか?)
-Une œuvre d’art est-elle nécessairement belle ?
(芸術作品は美しくなければならないか?)
-Explication de texte : HOBBES, Léviathan (1651)
 (トマス・ホッブズ『リヴァイアサン』の抜粋テキストを解説せよ。)

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