La Maison de Claude Monet

パリの北西およそ80kmの場所にある人口500人ほどの小さな村、ジヴェルニー。ここに、ノルマンディー地方で2番目に見学者の多い、世界的な観光スポットがあります。それが、フランスを代表する印象派の巨匠、クロード・モネの家と庭です。1883年から亡くなる1926年までの43年間ここに暮らしながら、モネは自分の理想とする庭を作り上げ、大きなインスピレーションの源としました。今も当時の面影をそのまま残し、モネが日々目にしていたのと同じ四季のうつろいを訪れる者に見せてくれます。




ピンク色の壁にグリーンの雨戸が印象的なモネの家。モネがここで生きていたころは大人たちに加えて8人の子どもたちが賑やかに暮らしていました。アトリエや居間、寝室も精密に再現されていて、モネの愛した浮世絵コレクションが飾られています。

大きな窓から明るい光が入るサロン兼アトリエには、モネ自身が所有していた絵画の複製が当時のように所狭しと飾られています。1960年代まではなんと本物が飾ってありましたが、そのすべては現在マルモッタン・モネ美術館に所蔵されているそうです。

モネといえばその浮世絵コレクションでも有名です。その数、喜多川歌麿の作品46点、葛飾北斎の作品23点、歌川広重の作品48点!日本や浮世絵への関心の高さは、庭の池にかかる緑の太鼓橋や竹林などからも感じられます。

モネの寝室。友人だったセザンヌやルノワール、カイユボットらの絵画(複製)が飾られています。

モネの寝室の窓から。毎日、こうして庭を眺めていたのでしょうか。

黄色が特徴的なダイニング。家具まで黄色に塗るのは当時としてはとてもモダンだったそう。隅々にまでモネのこだわりが感じられます。ここの壁にも浮世絵がいっぱい。「J’ai du bon tabac=美味しいタバコあるよ」と書かれた可愛い陶器の壺があったので係員さんに聞いてみたら、モネはものすごいヘビースモーカーだったそうです。

ルーアンの青いタイルと銅製の鍋の対比が美しいキッチン。庭の菜園でとれたての野菜を使った家庭料理はさぞかし美味しかったことでしょうね。




モネの家の目の前に広がるのが「クロ・ノルマン」と名付けられたお庭。モネ自身が丹精込めて作り上げた、色とりどりの空間です。季節ごとにさまざまな花が咲き乱れる、その美しさにうっとりします。

モネが描いた睡蓮や日本風の太鼓橋があるのは「水の庭」。モネの家とは道路を挟んで反対側にあり、地下道を通ってアクセスできます。睡蓮が最も美しいのは6月ごろですが、それ以外の季節でもそれぞれの美しさがあります。

ショップでモネと対面。あなたの家と庭を見に、世界中から多くの人が訪れているんですよって教えてあげたいですね。

今回訪れたのは8月中旬。夏の可愛いお花たちと出会えました。