フランスに史上2人目の女性首相が誕生(エリザベット・ボルヌ)

2022年5月16日、マクロン大統領は、エリザベット・ボルヌ(Elisabeth Borne)労働相を新しい首相に任命。ミッテラン大統領時代のエディット・クレッソン以来30年ぶりに、フランス史上2人目の女性首相が誕生しました。

ちなみにフランス語で「首相」は男性形の「Premier ministre」ですが、ボルヌ首相は公式Twitter上で女性形の「Première ministre」表記を選択したようですね。




今日辞任したカステックス前首相と共に会見を行ったボルヌ新首相。「すべての女の子たちに『夢を追い求めてください』と伝えたい」と語りました。

エリザベット・ボルヌ新首相は1961年パリ15区生まれの61歳。フランスに亡命したロシア系ユダヤ人の父とフランス人薬剤師の母の元に生まれました。第二次大戦中レジスタンス活動を行った父は1942年に強制収容所へ送られましたが生き残り、1950年にフランスに帰化。11歳でその父を失ったエリザベットは国の奨学金によって進学することができました。

国立土木学校およびエコール・ポリテクニークというフランス最高峰の高等教育機関を卒業し、設備省の高級官僚として政治の世界へ。社会党のジョスパン首相の時代に教育省の顧問や運輸担当の顧問、ドラノエ市長の時代にはパリ市で都市計画少局長、パリ交通公団(RATP)の総裁などを歴任しました。

マクロン大統領の1期目、2017年から交通担当大臣として入閣し、2019年には環境連帯移行大臣に、そして2020年からは労働・雇用・社会復帰大臣を務めました。

史上2人目の女性首相誕生はとても喜ばしいニュースですが、来月には国民議会選挙が待ち受けており、マクロン大統領の与党が過半数を失えば、さっそく野党から別の首相が選ばれる可能性もあります。ボルヌ首相が短命に終わるのか、長く続くのか…いろいろな意味で、今後の動きに注目です。

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