ワインの収穫を祝うナントの星パン

9月から11月にかけて、ナントの街を歩いているとよく目にするパンがあります。6つの足がついた星の形のようなパン、それが「Fouace Nantaise フアス・ナンテーズ」です。秋の訪れを知らせてくれる風物詩的存在。ぽってりとしたフォルムがかわいくて、いつも気になっていたのですが、先日ようやく買って食べてみました。



このフアスは、ワイン製造が盛んなLa Haie-Fouassièreというナント近辺の街で誕生したもので、葡萄の収穫の時期にワインとともに味わっていた特別なパンなのだそう。20世紀初頭には、フアスを作るFouacierという職業が存在し、80以上ものフアス職人が町におり、ロワール地域のフアスをすべて製造していたそうです。今では、パン屋さんが作り、この季節になるとショーウインドウに並びます。

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どっしりむっちりした手触りで、表面はコッペパンのよう。でもブリオッシュやミルクパンのようにフワフワはしていません。ところどころにフォークで刺したあとがあって、またかわいらしい。

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パン屋さんのマダムに食べ方を聞いたところ、横半分に切って軽くトーストして普通のバゲットのように食べたら良いわよ、とのことだったので、私はバターとジャム、そしてヌテラで味わってみました。切り口は密度が高めで、バゲットともブリオッシュとも違いますね。

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すっかり焼きすぎてしまいましたが(汗)、お味は・・・とってもおいしい!予想外のおいしさでした。かすかに卵とミルクの香りがするけれど、ブリオッシュほど油っこくなく、素朴で優しいパンの味わいがとても好印象。買ってから2日経っていたのですが、トーストしたらノープロブレム。サクサクな歯ざわりでフレッシュ感はそのままでした。トーストせずに食べると、ちょっと喉が詰まりそうな感じでしたが。この季節にしか味わえない特別なパン、フアス。機会があったら一度味わってみてくださいね。

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