
ときには可愛らしかったり、味があったり、歴史を感じたり…パリを歩いていると出会う、街角のさまざまな風景を、パリに暮らす日本人イラストレーターmarineさんの手描きのイラストとともにお届けします。

23. Primeur
八百屋さん
「パリところどころ」第23回は、八百屋さんです。「Primeur(プリムール)」とはもともと、旬の野菜や果物のことですが、それが転じて、野菜や果物を売る人やお店、つまり八百屋さんという意味もあります。
町のスーパーマーケットや、郊外型の大きなハイパーマーケットがたくさんあるフランスでは、お肉屋さんや魚屋さん、チーズ屋さん、そして今回紹介するような八百屋さんなど、個人商店が町の中心部から姿を消しつつあることが問題になっています。そんななか、意外にもパリにはそんな個人商店がしっかり生き残っていて、今も昔ながらの町の雰囲気を感じさせてくれます。
野菜や果物を買うなら、パリの各地で80以上も立つマルシェも欠かせません。でも、定休日を除けば、時間や曜日をそれほど気にせず立ち寄れるのが八百屋さんのいいところ。そして「旬のもの」を意味する名前の由来どおり、そのとき旬のものが店先を彩るので、並んでいるものを見れば季節がわかる、という楽しみもあります。
ちょうど今、夏の終わりから秋の初めにかけては、ミラベルやレーヌ・クロードなど、さまざまなスモモが店頭にずらり。量り売りで、食べたい分だけ買えるのも便利です。
旅行中に野菜や果物を買う機会は、もしかしたらあまりないかもしれません。それでも、ぜひ八百屋さんを覗いてみてほしい、もうひとつの理由があります。それは、ディスプレイの美しさ。色とりどりの野菜や果物を、まるでアート作品のように、生き生きと並べているお店に出会うとうれしくなります。
今回まりんさんが描いてくれたのは、メトロ1番線のサン・ポール駅とバスティーユ駅のちょうど中間に位置する八百屋さん。歴史ある建物がひしめくマレ地区の一角で、赤いひさしのこのお店の佇まいが、なんとも素敵です。
観光客でにぎわうマレ地区ですが、こうした昔ながらの商店が今も残っていると、ここがただの観光地ではなく、パリジャン、パリジェンヌたちが日々暮らす町もあることを実感させてくれます。
|Primeur d’Excellence |
住所:23 rue Saint Antoine 75004
⌘ イラストレーター
下山真鈴 Marine Shimoyama
東京生まれ、パリ在住。アパレルブランドのPRを経て、2006年に渡仏。パリでグラフィックアートを学んだのち、イラストレーターとして活動を開始。フランスと日本で、アパレル・コスメ関連のイラストや、雑誌やウェブサイトの挿絵などを手がける。パリの日常で見かけるおしゃれなパリジェンヌをイラストで紹介するブログ「パリウォッチ」をMadame Figaro Japonのウェブサイトで連載中。














