写真は、パリの東部に位置するレピュブリック(共和国)広場です。その中央にそびえるマリアンヌは、フランス共和国を象徴する女性像であり、だからこそ、フランス人たちが、嬉しいとき悲しいとき怒っているとき、自然に集まってくる場所でもあります。
2015年1月のシャルリー・エブド襲撃事件、そして同年11月のパリ同時多発テロ事件以降、このマリアンヌ像はテロリズムの犠牲者を悼む市民が、花やキャンドル、メッセージなどを残していく追悼の場となっていました。ただ、時が過ぎるとともに、そこに貼られるポスターや書き込まれる言葉のなかには、直接テロとは関係のないものや、過激すぎるものなども混じり始めていたのも確かです。
そういうこともあってか、このたびパリ市は、レピュブリック広場、そしてマリアンヌ像を一旦、元の状態に戻すことを決定しました。8月11日まで続く清掃作業では、像の足元に置かれていたすべてのものを取り除くだけでなく、像と土台自体も洗浄される予定です。
もちろん追悼の意を表したたくさんの人々の思いが無駄になるわけではありません。マリアンヌ像に置かれていたすべてのメッセージ、絵、グラフィティ、オブジェはすべて写真撮影・データ化されて保存され、その一部は今後、カルナヴァレ美術館で展示される予定となっています。