〈Du pain et des idées〉芳醇なバターの香りで朝からシアワセ

常においしいパンを探し求めているパリジャンたちが、行列してでも買いたいパン屋さんといえばこちら!「デュ・パン・エ・デ・ジデ(Du pain et des idées)」。舌を噛んじゃいそうなややこしい名前ですが、直訳すると「パンとアイデア」という感じでしょうか。




サン・マルタン運河からほど近いところに佇むこのパン屋さんは、スーツの生活から一転、パン職人となった異色の経歴の持ち主であるクリストフ・ヴァスールさんがオープンしたお店。世界を飛び回って働いていたクリストフさんは1999年に転職を決意し、パン職人として3年の修行を終えた後、2002年に自身の店をオープンしました。人一倍強いパンへの情熱と、こだわりの材料から作られるパンは、地元だけではなく、有名グルメ誌に最優秀ブランジュリーとして選ばれるほど評価が高く(2008年にGault Millau誌、2012年にはPudlo誌から認定)、お昼や夕方には行列が絶えない人気ぶりです。




オーガニックの小麦粉や良質なバター、新鮮な卵など、こだわりの原材料を用い、できる限り手作業で丁寧にパンを作るブランジュリーの伝統を今も大事に守り続ける名店です。なかでもフランス西部パンプリーで生産される風味豊かなバターを惜しみなく使い、じっくり発酵させ、石床式オーブンでこんがり焼かれるヴィエノワズリーはぜひ一度食べてみてほしい逸品。




120年前のブランジュリーを当時のまま保存した美しいファサードが目印。中に入ると大きな鏡や、イラストが見事なタイルの天井が目に入り、まるでタイムスリップしたよう。ガラス越しに並ぶパンも美しく、一気にこのお店のパンの世界に引き込まれます。

新鮮な食材やビオの粉など、厳選された材料で作られたパンは、食事に合うものだけでも数種類あり、どれもおいしそう。天然酵母で作られたカンパーニュ(田舎パン)やシリアルが入ったパンが並ぶ中で、特におすすめなのがパン・デ・ザミ(Pain des amis)。ほのかな甘みともちもちした食感が絶品です。他にも、季節の果物を使ったタルトや、クロワッサンの生地にカスタードクリームを巻き込んだエスカルゴ(Escargot:ピスタチオやヌガー入りなど数種あり)、甘さ控えめのアップルパイ(Chausson à la pomme fraiche)など、評判の品が揃います。




 

どこからともなく漂う香ばしく甘い香りに惹きつけられ、朝から晩までお客さんがひっきりなしにやってきて、お店の外はいつも行列が。とはいえ、テキパキと働くマダム達のおかげで、長い行列もどんどん進みます。

店の外にはちょっとしたテーブル席があり、コーヒーも一緒に買えるので、焼きたてパンをその場で頬張る人たちもたくさん。天気の良い日はパリパリのクロワッサンやショソン・オ・ポムを買って、近くのサンマルタン運河沿いで朝ごはんを味わうのもパリを満喫する最高の楽しみ方!

最高級の材料を選び、エクレアなどのパティスリーは一切作らないというところにもクリストフさんのこだわりを感じます。伝統製法に従い、時間をかけて作られるおいしさは、何ものにも代えがたい至福のひとときを与えてくれます。




名物パンのひとつ、クロワッサン生地にラムレーズンやプラリネを加えたエスカルゴ(カタツムリという愛称)もクセになるおいしさ。芳醇なバターの香りとパリッパリのパイ生地は、ぜひ一度味わってほしいもの。季節ごとに変わる旬の果物を使った薄いタルトも最高です。

ちなみに、東京の人気ブランジュリー「Rituel(リチュエル)」は、クリストフ・ヴァスールさんがプロデュースするヴィエノワズリーの専門店。今すぐパリに来れない・・・という人は、東京のリチュエルでオーガニックのおいしいパンを味わってみてください!


INFORMATION

Du Pain et des Idées - デュ・パン・エ・デ・ジデ

住所パリの地区マップ
34 rue Yves Toudic 75010 (地区:レピュブリック・サンマルタン運河 )
TEL
01 42 40 44 52
最寄り駅メトロ路線図
Jacques Bonsergent 5番線、République 3、5、8、9、11番線
営業日
月〜金 6:45-19:30
定休日
土、日、7月末〜8月末
カード
Visa, Master(15€〜)
http://www.dupainetdesidees.com
他店舗
なし
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