「アムール(愛)の国、フランス」なんてよく聞くフレーズですが、その言葉がぴったりのショートフィルムを見つけました。パリの街を舞台に、ある恋人の物語をエディット・ピアフの歌にのせて描いたもので、驚くことにかかった予算はなんとたったの40ユーロ(約5500円)!サクレクール寺院、メリー・ゴーランド、エッフェル塔、ルーヴル、セーヌにかかる橋・・・特別なセットがなくても、いたるところで素敵なシーンが撮れてしまうパリの街のポテンシャルを改めて感じます。普段パリで写真を撮っていると、どこを切り取っても「絵になるなぁ」と思いますが、パリの魅力の底力はやっぱりすごいですね。
全体的に『アメリ』をちょっと彷彿とさせるテンポの良さ。こういうパリの見せ方を発明したジュネ監督と彼の映画『アメリ』は、パリにとってもフランス映画にとっても、大きな意味のある作品だったなと10年以上を経て、しみじみ思いますね。
監督のVictor Habchyさんは自身のFacebookで「7月のバカンスをキャンセルしてこの作品を製作したけど、まったく後悔してない!」と書いていますが、ラストシーンを見たら納得ですね。このシーンを撮るためだけに7月14日にパリにいたんだな・・・と。いずれにしても確実に『ポンヌフの恋人』よりも超・安上がりですね(笑)。
先日、トリコロル・パリで紹介した「愛の南京錠」を撤去して新しくなったポン・デ・ザール(芸術橋)も登場しますよ。
うしろに流れる曲『恋は何のために A quoi ça sert l’amour』は、ピアフが晩年の1962年に二人目の夫となったテオ・サラポと歌ったデュエット曲。ピアフよりもぐんと若いサラポの「恋ってなんのためにするの?悲しいことばかりじゃない?」という問いかけに、人生の酸いも甘いも知り尽くした彼女が答えるように歌う歌詞が説得力ありすぎ!こちらの動画も貼り付けますので、ぜひご覧ください。
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‖‖ Amour Toujours ‖‖
[divider] [/divider]‖‖ 恋は何のために A Quoi Ça sert l’Amour ‖‖
Edith Piaf et Théo Sarapo
[divider] [/divider]‖‖ ポンヌフの恋人 Les Amants du Pont Neuf ‖‖
レオス・カラックス