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大学の入学資格を得るための統一国家試験、バカロレア(Baccalauréat, 通称Bac バック)、今年も6月15日からスタートしました。この大学入学資格試験に、文系理系を問わず、「哲学」という科目が存在すること自体がとても「フランス的」で興味深いですよね。なんと、ナポレオン・ボナパルトが1808年にバカロレアを創設した当初から、哲学は試験科目になっていたとのこと。トリコロル・パリの解釈による翻訳で2016年哲学の問題をご紹介します。これを高校3年生が解くのだと想像しながら読んでみてください。(2012年の問題・2013年の問題・2014年の問題・2015年の問題)
(3つのうち好きな1問を選んで答えよ)
文系
-Nos convictions morales sont-elles fondées sur l’expérience ?
(道徳的信条は経験に基づくものであるか?)
-Le désir est-il par nature illimité ?
(欲望は本来、無制限のものであるか?)
-explication de texte : Hannah ARENDT, « Vérité et politique », 1964.
(ハンナ・アーレントの『真実と政治』の抜粋テキストを解説せよ。)
理系
-Travailler moins, est-ce vivre mieux ?
(労働を減らすことは、より良く生きることであるか?)
-Faut-il démontrer pour savoir ?
(知るために論証は必要であるか?)
-Explication de texte : MACHIAVEL, Le Prince (1532).
(マキャヴェッリの『君主論』の抜粋テキストを解説せよ。)
経済・社会系
-Savons-nous toujours ce que nous désirons ?
(人は常に自分の欲するものを知っているか?)
-Pourquoi avons-nous intérêt à étudier l’histoire ?
(歴史を研究する意味があるのはなぜか?)
-Explication de texte : René DESCARTES, Principes de la philosophie (1644)
(ルネ・デカルトの『哲学の原理』の抜粋テキストを解説せよ。)