2014年バカロレア試験・哲学の問題

Photo © afp.com/Martin Bureau
大学の入学資格を得るための統一国家試験、バカロレア(Baccalauréat, 通称Bac バック)、今年も6月に行われました。この大学入学資格試験に、文系理系を問わず、「哲学」という科目が存在すること自体がとても「フランス的」で興味深いですよね。なんと、ナポレオン・ボナパルトが1808年にバカロレアを創設した当初から、哲学は試験科目になっていたとのこと。読者の方から「今年の問題を教えてください」とリクエストをいただきましたので、トリコロル・パリの解釈による翻訳で2014年哲学の問題をご紹介します。これを高校3年生が解くのだと想像しながら読んでみてください。(2012年の問題2013年の問題



(3つのうち好きな1問を選んで答えよ)
文系
-Les œuvres d’art éduquent-elles notre perception ?
(芸術作品は我々の知覚を育てるか?)
-Doit-on tout faire pour être heureux ?
(幸福になるためなら何でもしなければならないか?)
-explication de texte : Karl Popper, «La Connaissance objective», 1972
(カール・ポパーの『客観的知識』の抜粋テキストを解説せよ。)

理系
-Vivons-nous pour être heureux ?
(我々は幸福になるために生きているのだろうか?)
-L’artiste est-il maître de son œuvre ?
(芸術家は自らの作品の主であるか?)
-explication de texte : René Descartes – Règles pour la direction de l’esprit, 1628
(ルネ・デカルトの『精神指導の規則』の抜粋テキストを解説せよ。)

経済・社会系
-Suffit-il d’avoir le choix pour être libre ?
(自由であるためには選択できるだけで十分であるか?)
-Pourquoi chercher à se connaître soi-même ?
(自分自身を知るのは何のためか?)
-explication de texte : Hannah ARENDT, Condition de l’homme moderne, 1958
 (ハンナ・アーレントの『人間の条件』の抜粋テキストを解説せよ。)

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