2021年バカロレア試験・哲学の問題

毎年6月に行われる大学の入学資格を得るための統一国家試験、バカロレア(Baccalauréat, 通称Bac バック)の季節がやってきました。昨年はコロナ禍の影響で試験が中止になり、代わりに普段の成績で採点される形となりましたが、今年は無事に6月17日(木)から試験がスタートしました。

この大学入学資格試験に、文系理系を問わず、「哲学」という科目が存在すること自体がとても「フランス的」で毎年注目しています。なんと、ナポレオン・ボナパルトが1808年にバカロレアを創設した当初から、哲学は試験科目になっていました。トリコロル・パリの解釈で2021年哲学の問題をご紹介しますが、問題を翻訳すること自体が難しいので、フランス語が得意な方はぜひより良い訳を考えてみてくださいね。これを高校3年生が解くのだと想像しながら読むとさらに味わい深いです。
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一般バカロレア(baccalauréat général)

4つのうち好きな1問を選んで答えよ
-Discuter, est-ce renoncer à la violence ?
(議論することは暴力を放棄することか?)
-L’inconscient échappe-t-il à toute forme de connaissance ?
(無意識は、すべての形の認識を逃れるか?)
-Sommes-nous responsables de l’avenir ?
(私たちは、未来に対して責任があるか?)
-Texte d’Émile Durkheim issu de La Division du travail social,1893
(エミール・デュルケーム『社会分業論』(1893年)の抜粋テキストを解説せよ。)

技術バカロレア(baccalauréat technologique)

4つのうち好きな1問を選んで答えよ
-Est-il injuste de désobéir aux lois ?
(法に従わないことは不公平であるか?)
-Savoir est-ce ne rien croire ?
(知ることは、何も信じないことか?)
-La technique nous libère-t-elle de la nature ?
(技術は私たちを自然から解放するか?)
-Texte « Le poète et l’activité de fantaisie » publié en 1907 de Sigmund Freud
(ジークムント・フロイト『詩人と空想すること』(1907年)の抜粋テキストを解説せよ。)

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