2019年バカロレア試験・哲学の問題

Photo © afp.com/Martin Bureau
大学の入学資格を得るための統一国家試験、バカロレア(Baccalauréat, 通称Bac バック)、今年も6月17日からスタートしました。この大学入学資格試験に、文系理系を問わず、「哲学」という科目が存在すること自体がとても「フランス的」で興味深いですよね。なんと、ナポレオン・ボナパルトが1808年にバカロレアを創設した当初から、哲学は試験科目になっていたとのこと。トリコロル・パリの解釈による翻訳で2019年哲学の問題をご紹介します。これを高校3年生が解くのだと想像しながら読んでみてくださいね。




2012年の問題2013年の問題2014年の問題2015年の問題2016年の問題2017年の問題2018年の問題




(3つのうち好きな1問を選んで答えよ)
文系
-Est-il possible d’échapper au temps ?
(時間から逃れることは可能か?)
-À quoi bon expliquer une œuvre d’art ?
(芸術作品を解説する意味とは何か?)
-Commentaire HEGEL, Principes de la philosophie du droit
(ヘーゲル『法の哲学』の抜粋テキストを解説せよ。)




理系
-La pluralité des cultures fait-elle obstacle à l’unité du genre humain ?
(文化の多様性は人類の統合の障害になるか?)
-Reconnaître ses devoirs, est-ce renoncer à sa liberté ?
(義務を認識することは、自由を諦めることであるか?)
-Commentaire : FREUD, L’Avenir d’une illusion (1927)
(フロイト『幻想の未来』(1927年)の抜粋テキストを解説せよ。)




経済・社会系
-La morale est-elle la meilleure des politiques ?
(道徳は政治のなかで最も良いものであるか?)
-Le travail divise-t-il les hommes ?
(労働は人間を分断するか?)
-Commentaire : LEIBNIZ, Remarques sur la partie générale des Principes de Descartes (1692)
 (ライプニッツ『デカルトの原理についての総論』の抜粋テキストを解説せよ。)

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