2022年バカロレア試験・哲学の問題

毎年6月に行われる大学の入学資格を得るための統一国家試験、バカロレア(Baccalauréat, 通称Bac バック)の季節がやってきました。もう1年経ったことにまず愕然としていますが…とにかく今年は6月15日(水)の朝8時、例年どおり哲学の試験からスタート。50万人を超える高校3年生たちが受験しました。

この大学入学資格試験に、文系理系を問わず、「哲学」という科目が存在すること自体がとても「フランス的」で毎年注目しています。なんと、ナポレオン・ボナパルトが1808年にバカロレアを創設した当初から、哲学は試験科目になっていました。試験時間は4時間!の長丁場。トリコロル・パリの解釈で2022年哲学の問題をご紹介しますが、問題を翻訳すること自体が難しいので、フランス語が得意な方はぜひより良い訳を考えてみてくださいね。これを高校3年生が解くのだと想像しながら読むとさらに味わい深いです。
2012年の問題2013年の問題2014年の問題2015年の問題2016年の問題2017年の問題2018年の問題2019年の問題2021年の問題



一般バカロレア(baccalauréat général)

3つのうち好きな1問を選んで答えよ
-Les pratiques artistiques transforment-elles le monde ?
(芸術活動は世界を変えるか?)
-Revient-il à l’État de décider de ce qui est juste ?
(何が正しいかを決めるのは国家の役割か?)
-Expliquer le texte suivant : un extrait de Cournot, Essai sur les fondements de nos connaissances et sur les caractères de la critique philosophique (1851).
(クールノー『知識の根拠と哲学的批判の性質についてのエッセー』(1851年)の抜粋テキストを解説せよ。)

技術バカロレア(baccalauréat technologique)

3つのうち好きな1問を選んで答えよ
-La liberté consiste-t-elle à n’obéir à personne ?
(自由とは、誰にも従わないことを意味するか?)
-Est-il juste de défendre ses droits par tous les moyens ?
(あらゆる手段を行使して自分の権利を守ることは正しいか?)
-Expliquer un texte de Diderot, extrait de Encyclopédie.
(ディドロ『百科全書』(1751〜1772)の抜粋テキストを解説せよ。)

No Comments Yet

Comments are closed