ナント島のレ・マシン・ドゥ・リル

私の暮らすナント市(Nantes)は、パリからTGVに乗って2時間ちょっと行ったところにあるフランス西部の街。引っ越してくるまで、知っていることと言えば記憶の片隅にかろうじて引っかかっていた「ナントの勅令(Edit de Nantes)」ぐらいなもんでして・・・(汗)。こちらに住むようになってようやく、あのSFの父として愛されるジュール・ヴェルヌの生誕地だったり、ビスケットのLUがあったり、その他いろんな文化・カルチャーの発信をしていたりと、とても活発でインターナショナルな街なのだと少しずつ分かりはじめているところです。




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なかでも、私のお気に入りの場所は、ロワール川に浮かぶナント島にある「レ・マシン・ドゥ・リル Les Machines de L’île」という場所。ちなみにナント島はかなりの大きさで、島の西側部分に「レ・マシン・ドゥ・リル」とレストランやバーが建ち並ぶ「バナナ倉庫 Hangar à banane」、中央部には銀行やデザイン系の学校のほか、普通の住宅もあり、東部分は大きなショッピングンセンターが建っています。

さて、話を戻しますと・・・「レ・マシン・ドゥ・リル」にはフランソワ・ドゥラロジエール(Francois Delarozière)を中心とするアートスペクタクル集団「ラ・マシン La Machine」のアトリエがあり、彼らが手がける巨大アートの数々を見学することができます。フランソワさんは、機械仕掛けの巨大なマリオネットを創作するストリート劇団「ロワイヤル・ドゥ・リュクス Royal de luxe」のアートディレクターでもあり、かつて横浜に上陸した巨大グモ(ラ・プランセスというかわいらしい名前)をご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
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で、このナント島の目玉は何と言っても、みんなを乗せて島を散歩する巨大なゾウさん!ほんとに巨大で近くで見ると大人でも圧倒される大きさです。こーんな大きなゾウを動かしているのは、中の運転席に乗るたったひとりのスタッフだけというから驚きです。先日、ゾウの運転を5年も務めているエルヴェさんにお話を聞く機会があったのですが、前進・後進だけでなく、まばたきしたり鼻から水を噴き出したり、首をふったりなど、たくさんの仕草を同時に操作するのが難しいのだそう。5年も経てば慣れるけど、最初のうちは大変だった〜とおっしゃっていました。
このゾウさんは常にギャラリーの外にいて、時間が来ると大勢の人を乗せて練り歩くので、入場料を払うことなくお目にかかることができます。動いていないときに近寄ってじーっと眺めると、木でできた体に刻まれた皺は本当に象の皮膚のようだし、つぶらな瞳にふさふさ付いたまつげも本当に愛らしく、まるで本物の象のような感覚にとらわれます。夏の暑い日には、鼻から水をシャワーのようにまき散らしてくれるので、キャーキャー言いながらも子供たちはびしょ濡れになって喜んでいます(笑)

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有料のギャラリー(大人8€)は、実際に作っているアトリエのほか、試作中のマシンや今後のプロジェクトを見学することができます。すでに一部が出来上がっている鉄製の大きな樹木に、今後はイモムシくんが枝を伝ったり、てっぺんにコウノトリがぐるぐる旋回したりと、とにかくその突拍子も無いアイデアに驚かされます。そして、木のぬくもりとジュール・ヴェルヌの世界を思わせる大掛かりな機械仕掛けが懐かしさを漂わせ、ラ・マシンだけの独特な世界を生んでいます。

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左は試作中のコウノトリ。両側のカゴに大人2名を乗せて天高く羽ばたきますが、現時点ではスタッフのみで私たちは乗れません、残念。ちなみに、イモムシくんは見学者の中から1名代表して乗れますが、たいていは子供が選ばれるので大人は我慢(涙)。右は今年完成した3階建てのメリーゴーランド「海の世界のカルーゼル Carrousel des mondes marins」の模型。週末の行列と8€のチケットに怖じ気づいて(笑)でなかなか乗れませんが、いつか乗ったらまたレポートしますね。

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ちなみに、ゾウさんやメリーゴーランドに乗るのも、ギャラリーを見学するのもそれぞれ8€ずつかかります。詳しくは「レ・マシン・ドゥ・リル」のオフィシャルサイト(英語)の料金表でご確認ください。もちろん、ゾウの乗らずに眺めるだけなら無料ですし、ほかにも子供たちの公園やロワール川沿いの遊歩道など無料で楽しめる場所もたくさんあり、お腹がすいたら奥の「バナナ倉庫」に並ぶレストランやバーで食事もできます。天気の良い日にぶらぶらとお散歩するのにおすすめの場所ですよ!

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