2015年バカロレア試験・哲学の問題

Photo © afp.com/Martin Bureau
大学の入学資格を得るための統一国家試験、バカロレア(Baccalauréat, 通称Bac バック)、今年も6月17日からスタートしました。この大学入学資格試験に、文系理系を問わず、「哲学」という科目が存在すること自体がとても「フランス的」で興味深いですよね。なんと、ナポレオン・ボナパルトが1808年にバカロレアを創設した当初から、哲学は試験科目になっていたとのこと。トリコロル・パリの解釈による翻訳で2015年哲学の問題をご紹介します。これを高校3年生が解くのだと想像しながら読んでみてください。(2012年の問題2013年の問題2014年の問題




(3つのうち好きな1問を選んで答えよ)
文系
-Respecter tout être vivant, est-ce un devoir moral ?
(生き物すべてを尊重することは道徳的な義務であるか?)
-Suis-je ce que mon passé a fait de moi ?
(私は、過去が作った自分であるか?)
-explication de texte : Alexis de Tocqueville, De la démocratie en Amérique (1840)
(アレクシ・ド・トクヴィルの『アメリカのデモクラシー』の抜粋テキストを解説せよ。)

理系
-Une œuvre d’art a-t-elle toujours un sens ?
(芸術作品には常に意味があるのだろうか?)
-La politique échappe-t-elle à une exigence de vérité ?
(政治は真実の要求を逃れるものか?)
-explication de texte : Cicéron, De la divination, Ier siècle avant J.-C.
(キケロの『予言について』の抜粋テキストを解説せよ。)

経済・社会系
-La conscience de l’individu n’est-elle que le reflet de la société à laquelle il appartient ?
(個人の良心は、その個人が属する社会を反映するものでしかないのだろうか?)
-L’artiste donne-t-il quelque chose à comprendre ?
(芸術家は理解するべき何かを与えるか?)
-explication de texte : Baruch Spinoza, Traité théologico-politique (1670)
(バールーフ・デ・スピノザの『神学・政治論』の抜粋テキストを解説せよ。)

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