2013年バカロレア試験・哲学の問題

Photo © afp.com/Martin Bureau
大学の入学資格を得るための統一国家試験、バカロレア(Baccalauréat, 通称Bac バック)。今年も6月17日に「哲学」の試験からスタートしました。この大学入学資格試験に、文系理系を問わず、「哲学」という科目が存在すること自体がとても「フランス的」で興味深いですよね。なんと、ナポレオン・ボナパルトが1808年にバカロレアを創設した当初から、哲学は試験科目になっていたとのこと。今年の問題は次のとおりです。トリコロル・パリの解釈による翻訳ですのであしからず。(2012年の問題はこちら




(3つのうち好きな1問を選んで答えよ)
文系
-Le langage n’est-il qu’un outil ?
(言語は道具に過ぎないのか?)
-La science se limite-t-elle à constater les faits ?
(科学とは事実を証明するためだけのものか?)
-Analyse du texte de Descartes, Lettre à Elizabeth, 1645
(デカルトの『デカルト=エリザベト往復書簡』の抜粋テキストを解説せよ。)

理系
-Peut-on agir moralement sans s’intéresser à la politique ?
(政治に関心を持たずに、道徳的に行動することができるか?)
-Le travail permet-il de prendre conscience de soi ?
(働くことで、自己意識を獲得できるか?)
-A partir d’un texte d’Henri Bergson, tiré de son ouvrage “La pensée et le mouvant”, répondre à la question suivante: “Qu’est-ce qu’un jugement vrai ?”
(アンリ・ベルクソンの『思考と動き』の抜粋テキストを元に、次の問いに答えよ:正しい判断とは何か?)

経済・社会系
-Que devons-nous à l’État ?
(私たちは国家に対してどのような責任を負っているか?)
-Interprète-t-on à défaut de connaître ?
(人は、ある物事を知らないとき、自分なりに解釈するのか?)
-Analyse du texte d’Anselme, De la concorde (XIIème siècle)
 (サン・アンセルムによる『コンコルド』(12世紀)のテキストを解説せよ。)

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