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大学の入学資格を得るための統一国家試験、バカロレア(Baccalauréat, 通称Bac バック)、今年も6月18日からスタートしました。この大学入学資格試験に、文系理系を問わず、「哲学」という科目が存在すること自体がとても「フランス的」で興味深いですよね。なんと、ナポレオン・ボナパルトが1808年にバカロレアを創設した当初から、哲学は試験科目になっていたとのこと。トリコロル・パリの解釈による翻訳で2018年哲学の問題をご紹介します。これを高校3年生が解くのだと想像しながら読んでみてくださいね。
(2012年の問題・2013年の問題・2014年の問題・2015年の問題・2016年の問題・2017年の問題)
(3つのうち好きな1問を選んで答えよ)
文系
-La culture nous rend-elle plus humains ?
(文化は我々をより人間的にするか?)
-Peut-on renoncer à la vérité ?
(真実を放棄することはできるか?)
-Explication de texte : SCHOPENHAUER, Le monde comme volonté et comme représentation, 1818.
(アルトゥル・ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』の抜粋テキストを解説せよ。)
理系
-Le désir est-il la marque de notre imperfection ?
(欲望は人間の不完全さの現れであるか?)
-Éprouver l’injustice, est-ce nécessaire pour savoir ce qui est juste ?
(何かを不当だと感じることは、何が正当なのかを知るために必要であるか?)
-Explication de texte : MILL, Système de logique (1843).
(ジョン・スチュアート・ミル『論理学体系』の抜粋テキストを解説せよ。)
経済・社会系
-Toute vérité est-elle définitive ?
(すべての真実は決定的なものであるか?)
-Peut-on être insensible à l’art ?
(芸術に感応しないことは可能であるか?)
-Explication de texte : DURKHEIM, Les Formes élémentaires de la vie religieuse (1912)
(エミール・デュルケーム『宗教生活の原初形態』の抜粋テキストを解説せよ。)