古い家の魅力とシンプルモダンな美しさが共存するデザイナー夫婦の一軒家

仕事柄、クリエイターやアーティストの自宅を訪問する機会が多く、その度におしゃれで個性的なインテリアにうっとりしていますが、中でも今回紹介するカリーヌとジェロームのお宅は、「こんな家に住んでみたい~!」と叫びそうになってしまうほど、本当に素敵な憧れのおうちです。

カリーヌはテキスタイル・デザイナー、ジェロームはインテリア・デザイナーとして働くかたわら、夫婦ふたりで、Mr&Mrs Clynk(ミスター&ミセス・クリンク)という名前で 雑貨や文房具のデザインを手がけています。おすすめのパリ土産として紹介しているAndrée Jardin(アンドレ・ジャルダン)とコラボしたブラシやほうきも人気。

以前、東京と京都を旅してすっかり日本のとりこになったという二人。たくさん刺激を受けて戻った彼らのこれからのクリエーションが楽しみです。 

➕間取り➕
5LDK(140㎡、一軒家)

→ Mr&Mrs Clynk オフィシャルサイト




カリーヌとジェローム、そして娘ふたりの4人家族が暮らすのは1908年に建てられた石造りの一軒家。多くのフランス人がそうであるように、新築にはない「古い家の魅力」を求めてこの家を選んだとカリーヌは語ります。リフォーム計画の柱となったのが広い庭の一部に増築された55㎡のキッチン&ダイニングスペース。インテリアデザインのプロであるジェロームが最もこだわった点は、特注の大きなテラス窓や天窓を使って自然光をふんだんに取り入れること。レンガで縁取られた窓枠のある外壁をそのまま生かし、古い魅力を残しつつ、全体的に白いトーンで揃えたシンプル&モダンな内装にしています。

ほとんどIKEAでしつらえたというキッチン。セレクトと組み合わせによって、こんなにもセンスの良い空間が出来上がります!

一日中柔らかな光が降り注ぐ キッチン&ダイニングは自然と家族が集まる場所。アンティークの大きなテーブルでは、子供達が宿題をしたり、カリーヌがデザイン画を描いたり、ジェロームが大工仕事をしたりといつもにぎやか。

白いキッチンや壁のモザイクタイルはすべて自分たちで取り付け、殺風景になりすぎないよう蚤の市で見つけた照明や椅子でぬくもりをプラスする工夫をしています。シンプルだけれど収納棚の多いキッチンは、とても使い勝手が良くカリーヌも満足しています。 




廊下と二つの部屋に仕切られていた空間を、すべての壁を取り払い大胆につなげたリビング。奥のソファはテレビコーナー、手前のソファはお客さまが来た時におしゃべりできるスペースです。

古い暖炉を無くしてオリジナルの大きな造作収納を壁一面に付けるなど、自分たちの生活習慣に合ったリフォームを心がけたので、片付けや掃除には機能的な作りになっているとのこと。強いて言うなら、洗濯スペースを地下に設けたため、洗濯物を持って上がり下りするのがちょっと不便な点だそう。

屋根裏をリフォームした長女の部屋は、女の子だからといってあえてピンク系の色を選ばずフランスらしい落ち着いたトーンのペイントを施しました。スペースがふんだんにないため、いろんなお店で買った収納家具を上手に配置して、子供でも片付けのしやすい部屋づくりを実現しています。

次女の部屋も同じ壁色で落ち着いた雰囲気。あまり大人と変わらないインテリアやデコレーション、色のセレクトを見ていると、「子供らしさ」や「子供のための空間」とはどんなものだろう?と改めて深く考えさせられます。

2階の廊下はレモンと小花、鳥のパターンがにぎやかな壁紙で飾って。地の色が黒なのでとてもシック。

夫婦の寝室は上下で壁のペイントを変えてリズムをつける工夫がなされています。クローゼットは好みの生地で作ったカーテンで仕切っています。


余計なものを省いたシンプルな浴室。パニエ使いはぜひ真似したい。

真っ白の浴室に映えるイームズのハングイットオール。こういう小物でアクセントを効かせるワザもマスターしたい。

 




見せる収納のお手本のような玄関。ガーデニング専門店で見つけたというラックはシンプルかつ素朴な雰囲気で温かみを感じさせます。お気に入りのバッグやパニエ、マフラーなどを飾るようにかけておくと、気分も上がります。

リビング横に作った書斎スペース。アンティークの扉を取り付けて仕切りがわりに。Habitaで買った飽きのこないデザインのデスクが存在感あり。

インスピレーションの源がずらりと並ぶ本棚には、自分の好きなオブジェや旅の思い出が詰まったものを飾っています。花柄のパターンが可愛い小さなノートはMr&Mrs Clynkの商品。




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